DISSIDIA FINAL FANTASY OPERA OMNIA

DISSIDIA FINAL FANTASY OPERA OMNIA メインシナリオ~幕間~

  • 光の戦士編一「過去と現在の記憶」
  • 光の戦士編二「同質の存在」
  • 光の戦士編三「混沌の化身」
  • 物質の神編「憂鬱な女神」
  • 精神の神編「後悔の神」
  • オニオンナイトの称号を持つ少年編一「悠久の記憶」
  • オニオンナイトの称号を持つ少年編二「光の戦士」

精神の神編

「後悔の神」

 戦士たちが戦いに明け暮れる世界がある。その世界は、今やスピリタスとマーテリアの手を離れつつあった。そこで戦う戦士たちが「安息の大地」で安息を得る理由も、また失われつつある。

 スピリタスは精神を司る神である。
 彼はこれまでの世界、「安息の大地」では、強靭な精神力を持つ戦士だけを呼び寄せることに終始し、積極的に戦士たちの行動に介入することを良しとしなかった。破壊や闘争、支配を願う戦士も受け入れた。それはすべて、戦士たちが闘争を続ける世界を維持するため、「意志の力」というエネルギーを効率的に回収するためであった。

 だが、世界の理が転換したそのとき、スピリタスの役割もまた変わった。
 闇のクリスタルコアがエネルギーを放出し、世界の理が転換するとき、スピリタスは戦士たち全員の「心」を守った。それはとっさのことだったが、「新世界」における戦士たちの存在を維持することに貢献した。

「すべては、我が招いた戦士の起こしたこと……か」

 安息の大地で、そして新世界で、スピリタスは悔やんでいる。
 世畍を破壊する意志を持つものを、この世界に呼び寄せたこと、そして彼らを世界の一部として組み込んだことを。

 それは強烈な意志だった。しかし彼らはその意志の苛烈さゆえに「安息の大地」を破滅に追いやったのである。

 ひとつの意志、ガーランドは旧世界に残り、そこで自らの秘める混沌による世界の新たな形を願い、闘争を続けている。そしてまたひとつの意志、暗闇の雲は、新世界を「光が氾濫した世界」として、無に帰そうとしている。
  スピリタスが呼び寄せた戦士たちの多くは、新世界でもまた世界の破壊や支配や、あるいは仇敵の戦士を倒そうとしているのである。

 破壊の意志が維持されたのは、「理の転換」のとき、スピリタスが戦士の自由意志すべてを守ったためだ。
 ゆえに、スピリタスは償いをする。
 神の干渉を受け付けなくなった「新世界」に、悪しき意志を持つ者が流れ着いたとき、「次元の座標」を通してそれを管理することとしたのだ。管理が正常に成されれば、戦士たちへの借りを返すこともできよう。

「安息は、闘争の僅かな合間にしか生じえないと思っていた。しかし、戦士たちはそれを自ら掴み取る強い意志を持っている。それならば……」

 スピリタスは世界における安息を信じ、それを守ることに決めたのだ。

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