close

ローカライズプロジェクトマネージャー

ローカライズ部
ローカライズプロジェクトマネージャー
春口友佑

日本のゲームを、海外でも面白いものにする。

国内で発売されたゲームを海外展開するプロジェクトにおいて、ローカライズのチームと、開発チーム、そして海外支社のQA部隊やパブリッシャーの間に立ってローカライズ版制作の進行管理を行う。簡単に言えばそれがローカライズプロジェクトマネージャーの役割です。開発チームのプロジェクトマネージャーの業務に近いものだと思っていただくといいかもしれません。仕事の進め方も似ている部分は多く、海外版制作の企画が立案されると、まずは海外版制作スケジュールや予算を策定し、プロジェクト側と合意したうえで進めていきます。

ローカライズ部のトランスレーターをはじめ、開発側のプロデューサー、ディレクター、各セクションのリーダーなどとは密接に関わります。大きなプロジェクトになればスタッフは100名以上。ローカライズ側でも対応する言語が増えれば、30名を超えるトランスレーターが動くこともあります。開発チームのプロジェクトマネージャーとの大きな違いの一つは、コミュニケーションに英語を多用することや、常に海外のユーザーや市場を意識した目線でゲームを見る必要がある部分ですね。海外版を出す場合、国内版をそのまま翻訳するだけでは様々な問題が出てきます。ローカライズプロジェクトマネージャーは、トランスレーターと共に問題となりえる部分を拾い上げ、修正内容を開発チームと調整しながら、海外版プロジェクト全体を管理しています。

例えばキャラクターのセリフ一つとっても、英語や欧州言語では日本語よりも文字数が多くなります。そのまま翻訳するとテキストが表示枠からはみ出してしまうんですね。なので、海外版ではこういった言い回しにする、というトランスレーターが考えた案を開発側と調整します。レーティングも北米は日本よりもかなり厳しい基準を適用していますから、そこに引っかかってくる表現やビジュアルはすべて洗い出します。テキストもそうですし、例えばギャンブルを行うカジノや、アルコールが飲める酒場のような場所があるとすれば、未成年を対象にしたゲームには相応しくないわけです。そういった場合はビジュアルそのものの変更を依頼することもあります。

その分、開発に負荷はかかりますが、相手に不快な思いをさせずに全員が納得できるように問題を解決していく。プロジェクトマネージャーの腕の見せ所ですね。そうやってどんな細かいことでも拾い上げていくことが、結果として海外のユーザーの満足度を高めることにつながります。

トランスレーター、開発チームと共に問題を解決していく。

前職ではアメリカに本社のあるFacebookやモバイル向けのゲームを作っている会社の日本スタジオで働いており、そこで初めてゲームのローカライズという仕事に出会いました。残念ながらその会社は2012年に日本スタジオが閉鎖されることになってしまったのですが、同様の仕事を続けたいと思い、「ゲーム」と「ローカライズ」を軸に仕事を探し、2013年にスクウェア・エニックスに入社しました。

入社からこれまでモバイルやコンソール、様々なゲームのローカライズ業務に携わってきました。プロジェクトの規模によってワークフローや関わるスタッフの数は大きく異なります。そんな中で、ローカライズプロジェクトマネージャーとして私がいつも意識していることは、「相手の立場になって考えること」です。トランスレーターが翻訳を進める上で海外言語特有の文法などの理由で問題が発生することが多々あります。開発チームに対応をお願いする場合、単に「文法的におかしいから」と言っても、相手がその言語に精通していないと理解してもらうのは難しいですよね。そんなときはトランスレーターたちと話し合い、その問題が該当する言語においてどれくらい深刻なものなのか情報をまとめ、海外言語が分からない人にも理解いただけるよう資料にまとめて開発チームに説明をします。これもローカライズプロジェクトマネージャーの仕事です。解決策はいつも同じではありません。状況やゲームのジャンルなどをふまえ、関わるスタッフと一緒に最善の解決策を導き出す必要があります。正解はいつも一つとは限らないので模索する中で苦労することもありますが、開発チームが0から作り上げるゲームを、海外のユーザーにとって100点にも120点にもなるよう努めることがローカライズの最大のミッションであり、また、この仕事の魅力です。

ゲームの開発を、もっとグローバルに。

プロジェクトによってそれぞれに違うやり方があり、毎回のように聞いたこともない問題が起きるのがこの仕事でもあります。そのため自分なりに勉強して問題を解決していく柔軟性、英語と日本語で双方に適したコミュニケーションを行う能力などが大切になってきます。ただ、問題が多様化していく中で、どのプロジェクトでも共通する問題というものは確かに存在していて、例えば日本語版レイアウトの表示枠制限による、テキストのはみ出しなどは代表的なものです。

ローカライズ部ではそういった共通する問題点をまとめた資料を作成していて、今後は社内での認知を高めていくことで、国内版の開発段階からグローバルを意識した仕様で進めていけるようにしていければと考えています。そうして新しいスタンダードを作るような働き方こそが、これから求められることだと思います。

海外のユーザーに面白いゲームを届けることが私たちの仕事ですから、そういう意味では必ずしもローカライズプロジェクトマネージャーが日本人である必要もありません。多様性が高まればそれだけローカライズビジョンへのインプットも増えていきます。ローカライズプロジェクトマネージャー、トランスレーター、ローカライズプログラマーが一丸となって、海外のゲームや市場の理解を深め、社内にアウトプットすることで、ローカライズをもっといいものにしていければと思います。

ローカライズプロジェクトマネージャー募集