グループ内で、人材育成面でも積極的に投資しているようですね。
- 和田
- 中期経営目標を実現した上でその後の10年間も勝ちつづけるためには、企業風土の変革と人材育成が不可欠です。そのため、スクウェア・エニックスでは、管理職を対象にした1泊2日のマネジメント研修を昨年から開始しています。タイトーでは、今年4月に教育部を新設し、店舗運営に携わるオペレーターの人材育成研修をスタートしました。10月には顧客満足度向上を目指し、店舗運営をテーマとした社内大会も開催しましたが、その結果には、大いに満足しています。感動の余り、涙するチームも散見できました。
ブランドに対する考え方は。
- 和田
- 一つは、納得のいくものしか出さない。ブランドとしての品質管理を徹底しています。もう一つは、ブランドを薄めない。薄めないために、敢えて多様性を持たせています。例えば、あるブランドのファンが、現在1,000万人存在するとします。それを1億人にしようという目標を立てたら、その時点で自滅していくでしょう。万人受けしようと、薄めても意味がないのです。「ファイナルファンタジー」「ドラゴンクエスト」などのシリーズは、1つ1つのタイトルが独立した作品であり、異なる個性を持っています。バンダイナムコさんの「ガンダム」シリーズや、スタジオジブリさんの作品のブランドマネジメント手法は、そういう点において常に勉強させてもらっています。
新たなブランドの創造という意味では、どのような取組みがありますか。
- 和田
- 「鋼の錬金術師」や「キングダム ハーツ」シリーズは、2000年以降に生まれたフランチャイズです。現在はWiiウェア向けの「小さな王様と約束の国 ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル」や「ラストレムナント」など、新たな取組みを進めています。来年以降を楽しみにしていてください。
(聞き手:ジャーナリスト 磯部元志)
取材日:2007年11月19日