決算説明会では、改めて、タイトーのグループ化の狙いと事業の進捗状況の説明をしていましたが。
- 和田
- ええ、エニックスとスクウェアが合併したときとは違う効果を狙ったことを再度理解してもらおうと思ったからです。タイトーをグループ化することで、業務用ゲーム事業からの収益貢献が期待できるうえ、家庭用ゲーム事業とのシナジーを生めるだろうと考えました。また財務面での安定にも寄与するという狙いもありました。
タイトーの改革は、2006年9月にグループ化して以来、“選択と集中”をテーマに続けてきました。2007年3月期に行った一連の収益改善策の効果に加え、前期は核となるアミューズメント施設運営事業が軌道に乗ってきました。同業他社の業績を見ても、堅調な業績推移を示しているのはタイトーだけです。店舗運営に携わるスタッフの人材育成研修などの施策の効果があらわれていると考えています。また、店舗ごとの契約条件交渉については強力に進めており、機器の入れ替えもリース方式を積極的に導入しています。これらの業務改善が大幅な収益改善に繋がりました。すでに、大方の課題は解決していますので、今後は、次の成長に向けて、業務用ゲーム機器のレンタル事業も本格化するほか、店舗のFC(フランチャイズ)展開に乗り出すことで他業界の参入を促し、市場を厚くしていく考えです。また、今年30周年を迎える「スペースインベーダー」を軸にしたさまざまな企画を計画しています。
これまで、ゲームセンターというと、青少年の遊び場でしたが、今後の狙いは。
- 和田
- いま遊んでいる青少年が大人になっても通ってくれることはもちろん、40歳後半から50歳代も目を輝かせて遊んでもらえる“ソフト”が必要だと思っています。実際、「脳トレ」や「Wiiスポーツ」などの登場で、ゲーム人口がタテにもヨコにも広がっています。それを好機と捉えないわけにはいきません。ゲーム愛好家の裾野が広がったことで、これまでにないゲームのあり方を研究するステージに入ってきたと思っています。
そのためにも、スクウェア・エニックスグループだけで、将来像を考えるのではなく、いろいろな業態の企業と、あるべき姿を模索することが活性化につながると思っています。