王国ルシスと、帝国ニフルハイム──長きに渡った二国間の戦争が終わろうとしていた。

停戦協定の調印式を数日後に控えたルシスの王子ノクティスは、友人と共に王都を発つ。

和平の証として、帝国属州テネブラエの令嬢ルナフレーナと結婚式を執り行うことになっていた。

しかし調印式当日、ニフルハイムはルシスを裏切り王都を襲撃する。

ラジオの報道は、ルシスの象徴であった『クリスタル』が帝国の管理下に置かれたことと、ノクティスの父である国王レギスと婚約者のルナフレーナ、そしてノクティス自身の訃報をしきりに伝えていた。

故郷の平和が一夜にして崩れ去り、ノクティスには三人の仲間と父の愛車だけが残された。

情報が錯綜する中で、それだけが確かな現実だった……