1996年にスーパーファミコン用ソフトとして発売された『スーパーマリオRPG』のリメイク版が2023年Nintendo Switch™に登場!そして、ファンの間で長らく待ち望まれていたオリジナル・サウンドトラックが2025年4月9日発売決定!Switch版のサウンドトラックに加え、スーパーファミコン(TM)版との新旧聴き比べができる豪華Boxと、アナログレコード版の3種類が登場します。
今回は作曲を手がける下村陽子さんにオリジナル版&リメイク版制作秘話やサウンドトラックにまつわるお話しをお聞きしました。
(話し手: 下村陽子、聞き手とライター: アネモネ・モーニアン、写真:kimi)
待望のサウンドトラック登場!
下村さん、待望のサウンドトラックがついに登場ですね!
下村陽子さん(以下、下村さん):
ありがとうございます!大変お待たせいたしました!
今回はNintendo Switch版『スーパーマリオRPG』の音源を含む3商品が発売されますね。発売決定のニュースを聞いて、どんな気持ちでしたか?
下村さん:とてもうれしかったです。
決定後、情報解禁までなかなかお伝えできなかったので、その日を心待ちにしていました。
発表後、お客さんからの反応はいかがでしたか?
下村さん:想像以上にたくさんの反響をいただきました。
海外からのお声も大きくて、改めて多くのかたに愛していただいている作品なんだと実感しました。「親子で遊んでいます」というお声もいただき、次の世代に作品がつながっていることも光栄に思っています。
長年、日本のみならず世界中のファンがこのメロディを手にできる日を待ち望んでいましたよね。
今まで熱望の声に下村さんが「ごめんなさい」と謝る姿は、SNSや海外イベントなどで何度も見られてきました。
下村さん:手に入れられなかったかたや、海外のサイン会でボロボロになったアルバムを大切にしながら「子どものころからの大事な宝物なんです。新しいものに買い直したいな」というお声をいただいたり……やっとサウンドトラックをお届けできることになり、彼らの顔も思い浮かびました。
愛していただいた皆さんのお声が今回のサウンドトラック発売につながったのだと思います。ありがとうございます!
サウンドトラックの中身をのぞき見
もう各種サウンドトラックの中身はご覧になりましたか?
下村さん:いえ、今回が初めてです。
(オリジナル復刻版のジャケットを手に取りながら) わ〜、懐かしい!
レコード、ジャケットも中身もかわいい〜!お部屋に飾るにもすてきですね。
あとでお写真撮ってもいいですか!?
「Original Sound Box」収録のスーパーファミコン版のブックレットには、とってもレアな当時のコメントがそのまま掲載されているんですよ。
下村さん:ひゃ〜!私、へんなこと書いていないわよね!?
オリジナル版とリメイク版両方の音楽が楽しめる「Original Sound Box」に付属している下村さんの全曲解説はかなりのボリュームですね!読みながら聴くと楽しみが倍増です。
ブックレットは日本語に加え、英語のテキストも併記されているので、たくさんの人が正式に楽しめますね!
下村さん:そうですね!すこしはずかしいですが、とてもうれしいです。
Nintendo Switch版リメイクへの想い
そもそもスーパーファミコンで発売された『スーパーマリオRPG』がNintendo Switchでリメイクされると決まり、そのお話を知ったときはどんな思いでしたか?
下村さん:すごくビックリしましたし、うれしかったです。オリジナル版の発売から何十年も経っているのに、また私に音楽でお声掛けをいただけたことが、何よりとても光栄でした。
Nintendo 『スーパーマリオRPG』担当決定はタイミングの妙!?
以前インタビューで、音大生だったころの下村さんがはじめてゲーム音楽の存在を意識したのは『スーパーマリオブラザーズ』の音楽を聴いたときだとおっしゃっていましたよね。
そしてRPGゲームの音楽を作りたくてスクウェア・エニックス(当時はスクウェア)に入社した下村さんが巡り巡って『スーパーマリオRPG』の音楽を担当することになった経緯は、とても運命的で胸が熱くなるエピソードだと思います。
※編集注釈: トビー・フォックスさんとのインタビューにてお伺いしておりました!
下村さん:わあ、そういってもらえるとうれしいです。
チームメンバーは下村さんのルーツを知って抜擢されたのでしょうか?
下村さん:いいえ、当時はまだこうしてインタビューいただく機会も珍しかったので、チームはルーツについて特には知らなかったはずですよ。
実は私が担当になったのはたまたまで、タイミングがよかったんです。
ええ?! そうだったんですか?!
下村さん:私が『ライブアライブ』の制作がちょうど終わって空いていて、そこに「こんな企画があるから音楽を担当してもらいたい」と声を掛けられた作品が『スーパーマリオRPG』だったんです。もちろん、そのまま制作チームに入りました。
ええ!? ではタイミングの妙もあったのですね。
下村さん:ええ、すごくラッキーでした。
当時、私は社内で担当が決まっていない新規タイトルに作曲をすることが多かったんです。
他の作曲家さんたちはもうお決まりの作品がありましたしね。
『ライブアライブ』を開発していたほかのメンバーたちも何人か『スーパーマリオRPG』チームに移動していました。
下村さんも担当に決まってうれしかったですよね!
下村さん:いや〜、うれしかったですね!
実は『スーパーマリオRPG』を担当することが決まったあとに、もう一つの新規タイトル『フロントミッション』の曲も松枝さんと一緒に作ることになり、チームのみんなには「また戻ってくるからね!」と伝え、後ほど改めて合流したという経緯もありました。戻ったときにはもうゲームは結構形になっていたのを覚えています。担当決定した瞬間と、再度合流できた瞬間とで、2回もテンションがあがるタイミングを味わうことができました。
Nintendo 作中の「マリオ」のメロディはなんと……
作品内では「マリオ」シリーズの楽曲も登場していますね。世界的に有名なあのメロディをアレンジすることになり、どんなお気持ちでしたか?
下村さん:「私がアレンジさせていただいていいの?」と恐れ多い気持ちがありました。
企画の段階から「マリオ」シリーズの曲をアレンジするように指定があったのですか?
下村さん:実は私が「折角だから今までの「マリオ」シリーズの楽曲たちあったほうがいいよね」って原曲の使用を提案させていただいたのです。
なんと、下村さんのアイデアだったのですね!
下村さん:私自身もとても馴染みのある楽曲たちだから、やっぱり「マリオ」のRPGには「マリオ」のメロディが鳴ってないとね!と思いまして……。
ちなみに「ファイナルファンタジー」(以下「FF」)シリーズからも1曲使用されていますが、こちらはどのような経緯でしたか?
下村さん:こちらは開発チームから「FF」のバトル曲を一曲選んで使用するよう指示がありました。
すぐに『ファイナルファンタジーIV(以下FFIV)』の「バトル2」のメロディが浮かんだので提案したら、そのまま採用となりました。それとは別でもう一つ、『ファイナルファンタジーII』の「バトル1」のメロディも浮かんでいたので、もしかしたらそっちが採用になっていた未来もあったかもしれませんね。
Nintendo 当時の音楽制作環境はパズルのよう?!
当時のスーパーファミコン用の音楽開発環境は今とはかなり違っていましたよね。
下村さん:そうですね。容量との戦いもあり、パズルのようでした。
同時に最大8音しか鳴らせなかったり、曲によって使える音声の数が決まっていたり、エフェクトを掛けるには何かを犠牲にしなければならなかったり……。
作曲をするだけではなく、色々なものと戦っていらっしゃったのですね。
「スーパーマリオRPG Original Sound Box」の全曲楽曲解説ブックレットでも効果音とのせめぎ合いに関してのエピソードを語られていらっしゃいますね。
下村さん:そうなんです!「エンディングでは効果音はもう使わないから、作曲に全部のメモリを使っていいよ」といわれ、はりきって「楽しいパレード 愉快なパレード~そしてパレードは行ってしまった···」を作っていた中、後から花火の効果音が入ることが判明して……とてもあせった思い出がありました。
同時に使用できる音色と鳴らせる音数が決まっていたんですよね。
下村さん:スーパーファミコンの音楽制作環境では、一曲に使いたい音色を選んで”バンク"という楽器セットのようなものを作るんです。エンディングでは効果音から借りたメモリもフルにつかってそのバンクに目一杯の音色を詰め込んでいたので、花火の音を入れる余裕がなくて……無音になる一瞬のタイミングで効果音も使えるよう別のバンクに切り替えて花火の音を鳴らすという工夫をして切り抜けました。最後は豪華にメドレー構成だったので、いろんな楽器を使いたかったんですよね。
楽曲ごとにバンクを作り、切り替えることで音色や雰囲気を変えていたのですね。
下村さん:最大8音しか使えない中でのせめぎ合いは大変でしたけれど楽しかったです。
音色にゴージャスなリバーブやエフェクトを掛けたいとなると、その分またバンクからエフェクト分の容量をもらうので一曲に使える楽器数が減ってしまうんです。エフェクト分をケチってしまうとリバーブがきれいに鳴らず「ビヨヨヨヨ〜ン」という音になってしまったり……落としどころを見つけながらの作業でした。
本当にパズルのようですね!
下村さん:そうなんです。大変でしたが、制約の中での作品づくりならではのやりがいや、楽しさがありました。
楽器の音をつくりだすにも一苦労なので、ある一曲のためだけに作った音色を、もったいないから別の曲にも入れてみようという工夫もしましたね。
ルールの中でうまくいくと達成感がよりありますね!
制約のせいで頭の中で鳴っている曲をそのまま表現することの難しさも感じていたのではないでしょうか?
下村さん:はい。特に頭を悩ませたのはそのエンディング曲で使用しているピアノの音でした。
本物に近いピアノの音色を表現するには、たくさんメモリを使わないといけないんです。でも他の楽器も使いたいので、メモリを調整しながらどうにかピアノの音に聴こえるよう、当時できるかぎり最大限の努力をした記憶があります。「これはピアノの音なのだ!ピアノの音なのだぞ〜!」と念を送りながら作っていました。
あの独特な音色をどう置き換える?Nintendo Switch版での新アレンジについて
やはり当時は開発環境とのせめぎ合いがあったのですね。
さて、Nintendo Switch版では制約にとらわれず、作った音楽をそのままゲームに使うことができるようになりましたね!
ピアノの音も当時思い描いていたものに近づけられたのではないでしょうか?
下村さん:そうですね。当時の環境の縛りがなくなって、当時できなかったことができるようになりました。
しかしリメイク作品となると、当時のプレイヤーの思い出から変わりすぎてもいけませんし、また別のプレッシャーがあったのでは?
下村さん:まさにその通りでした。
私自身も、当時の制約の中で作ったスーパーファミコン独特の音も愛おしく思っているんです。
もちろんリメイク版で理想のピアノの音に近づけられたのですが、前のものを否定して「こっちが正しい!」ということではなく、前のものも、新しいものも、どちらも正しいと感じています。
プレイヤーと同じく、下村さんも愛着があるのですね!
下村さん:はい!今回はプレイ中もオリジナル版と新しいBGMどちらも選べるようになっていますし、「スーパーマリオRPG Original Sound Box」はオリジナルも新規アレンジも聴ける豪華盤なので、ぜひどちらも楽しんでいただきたいです!
リアル?レトロ?絶妙なバランスをどうとる?
アレンジ版ではオーケストラなどの生楽器と打ち込みの音源がとても自然なバランスで使用されていますよね。どのように分量を振り分けたのですか?
下村さん:オーケストラ風の曲だったとしても、すべてを無理にオーケストラ編成にはせず、必要な楽器だけを必要な分録音しようというスタンスで進めていきました。
だから生楽器でリアルな音を感じつつもゲームの雰囲気にバッチリ合っているように感じられたのですね。
下村さん:でも、そこにたどり着くまでにはたくさん試行錯誤しました。
最初は「みんなの思い出を再現しなきゃ!」と原作にこだわりすぎて、レトロすぎる雰囲気になってしまったり、ごちゃごちゃしてしまったり……いろいろな葛藤や紆余曲折がありました。チップチューンと違ってスーパーファミコンには音色があるので、その音色自体に対する思い入れもあるし、そこをそのままリアルな楽器でアップデートしても曲としては自然にならなかったんです。今の音源や楽器では再現できない独特の音もあったり……当初は迷うことが多かったです。
リメイク作品が直面する「コレジャナイ感」問題ですね。迷いをどのように打破されたのですか?
下村さん:原作の音色のことはいったん置いて、もしこの楽曲たちを今の環境でレコーディングするのならどうするか、という観点で考えることにしたんです。
メロディを活かし曲を再構築したのですね。
極端に例えると、スーパーファミコン用に開発していたら、発売するプラットフォームの仕様変更があって、そのままメロディを活かしてNintendo Switch版を作ることになったようなイメージ、でしょうか……。
下村さん:あ!そんな感じかもしれません。
制約はなくなったけれど、全部の楽器を録音をするのではなく、現代のゲーム音楽制作と同じ感じで「この曲の規模なら生楽器はこのくらいレコーディングしよう」という感じですこしずつ進めていきました。
そのように方向性を切り替えられたのですね。アイデアの出しかたもかなりリフレッシュされたのではないでしょうか。
下村さん:はい。最初に任天堂さんにサンプルデモを何曲か提出して確認してもらうのですが、担当者さんがとても『スーパーマリオRPG』への愛があるかたで、たくさんヒントをいただいたんです。
確か「Let's Try」と「道中は危険がいっぱい」のデモを先に確認してもらったのかな?
迷いがあったころのアレンジに、原作を完全に把握されていらっしゃる担当さんの率直なフィードバックをいただき、方向性を定めることができました。
愛ある指標!とても頼もしかったですね。
再現が難しいスーパーファミコン独特の音色はどのように対処されたのですか?
下村さん:これは大変でした。どの楽器にしてもイメージと違う!となり、なかなかハマらず試行錯誤しました。
個人的には序盤の「対 クッパ戦」で早速「おお、リメイクの新アレンジ、すごいぞ……!」と、いい意味で度肝を抜かれました。当時の独特な音色もすてきでしたが、メロディをバイオリンが弾くとこんなにもカッコよくなるのか、と衝撃を受けました。
下村さん:わあ、ありがとうございます!
「対 クッパ戦」のメロディはどれに差し替えてもしっくりこなくて悩んでいたところ、たまたまバイオリンソロのレコーディングのときに「メロディを弾いてもらったら合うかも!」とひらめいて、急遽お願いして録音してもらったんです。
ええ〜!? 偶然のひらめきだったんですね!
下村さん:はい、とてもとてもいいタイミングでした。演奏者さんのパワーに感謝です。
そうだったのですね!
ギャップや落としどころで苦労されたと思いますが、「ワイン川を行こう」はまさに楽しそうな雰囲気そのままに、当時頭の中で鳴っていた曲に近いものになっているとおっしゃっていましたよね。
下村さん:はい、当時これを再現しようとしていたんだよ〜!という曲ができあがりました!
お祭りのようなフィドルの音がいきいきしていますね!
下村さん:実はあれもバイオリンの音なんです。「フィドルっぽく演奏してください」とリクエストしたら、まさにこれだという雰囲気で弾いてくださいました。
ええ〜!バイオリンだったんですね。フィドルだと思って聴いていました。
下村さん:フィドルにしか聴こえないレベルですよね!
リメイク版のアレンジでは理想を実現できて感無量でしたが、またオリジナル版を聴きかえすとそれはそれで愛おしいのですよね。どちらもたくさんお聴きいただきたいです!
リズムに隠されたひみつ
本作はリズミカルな曲が多いですよね。
下村さん:オリジナル版のリズムはすごく独特なつくりなんです。
フィールド曲は「マリオ」を意識したラテンパッカーションを使っているのですが、スーパーファミコンで理想のパッカーションの音を表現しようとなるとトラックに結構な容量を取ってしまい、リズム以外のトラックがスカスカに聴こえてしまう問題があるんです。
「でも絶対にこのパッカーションを入れたい!」となると工夫が必要で、他の楽器がおやすみしているタイミングで音色チェンジのコマンドを入れて音色をわざわざ切り替えてパッカーションを鳴らしたりしながら制作をしたんです。なので例えばマリンバとマリンバの間でタンバリンが一瞬鳴ってたり、みたいな、普通の楽曲構成にない、わりと独特なリズムになってたりしてるんです。
一曲をとおして欲しいリズムの音色を鳴らし続けることができなかったのですね。
下村さん:リメイクではその制約がないのでわざわざ工夫する必要もないし、パーカッションをずっと鳴らすこともできます。でも、だからといって完全に変えてしまうとそれはそれで違和感があるので、どうすべきかとても考えました。
当時の環境ありきの技アリの構成だったのですね。
「道中は危険がいっぱい」のオリジナル版は、当時同じく社員だった植松伸夫さんが「この曲のデータどうなっているの?」とわざわざデータの中身をみて「すごいね」とおっしゃったという伝説がありますよね。
下村さん:はい。同じサウンド班の人から教えてもらった話なのですが、うれしかったですね。
同じ環境下で制作している者同士の苦労や工夫が伝わったのですね。
下村さん:そうだと思います。
なので、特殊な環境下で生まれたリズム編成に関しては、音色はアップデートするけれど、曲が持つ独特なノリはそのままに、できるだけイメージが変わらないように意識してアレンジをしました。
下村陽子氏が新アレンジする植松伸夫氏の楽曲!
植松伸夫さんといえば、オリジナル版にも収録されていた『FFIV』の「バトル2」も収録されていて、下村さんがかっこよく再アレンジされていましたね!
下村さん:ゲーム音楽界のトップである植松さんの曲を改めてアレンジさせていただけて、すごくありがたいことだなと思います。
同じく世界的人気を誇る下村さん新アレンジの『FFIV』曲を聴けちゃう『スーパーマリオRPG』って、すごく贅沢ですね!カッコいい「バトル2」まで聴けちゃってなんだかラッキーな気持ちになりました。
下村さん:カッコいいと思っていただけていたらうれしいです!
制作陣から「カッコよくお願いします」という注文があり、プレッシャーと戦いながらアレンジしていたので本望です!
レコードの思い出
今回発売の3商品にはアナログレコード版もありますよね。中のデザインも公開されましたが、いかがですか?
下村さん:デザイン、とてもかわいいですね!本当にお部屋に飾っておきたいです!
最近またレコード人気が復活して、ゲーム音楽もアナログ盤が発売されるようになってきましたね。下村さんはアナログレコードに対して特別な思い入れがあるとお伺いしました。
下村さん:わたしが小さいころ、家で好きな音楽を聴く手段はレコードしかありませんでした。
父が音楽が趣味でレコード盤をたくさん持っていたので、そのコレクションからクラッシック音楽を聴くのが大好きだったんです。
子供のころの音楽の思い出はいつもレコードに直結していて、すごく特別な思いがあります。
過去に担当した音楽が現代にリメイクされ、さらに特別な思い入れがあるレコード盤になり登場するなんてロマンチックですね!
下村さん:すごくありがたいことだと思います。
レコードってこの盤面自体に音そのものが刻まれているじゃないですか。
うちのプレイヤー、アームが手動だったので、息を止めてそ〜っと針を落として、まず、レコードノイズがプツプツと聴こえて来て、好きな音楽が広がって感動して……この音楽にたどり着くまでの一挙一動が音と向き合っているような気持ちになれるようで大好きなんです。ぜひ皆さんにも体験していただきたいです。
デジタルとはまた違うおもむきがありますよね!
オリジナルのアレンジの聴き比べができちゃう豪華版!
オリジナル版とアレンジ版のお話しをお聞きしてきましたが、今回発売される「Original Sound Box」では両方のアルバムを聴き比べできちゃうのですよね。
下村さん:そうなんです!
リメイク版のゲームでも両方のサウンドトラックをお選びいただけるようになっているので、CDでも手にとっていただけることになりうれしいです。
公式ページにも1996年と2023年版が交互に試聴できる音源がありましたね。
下村さん:も〜、おはずかしい!
オリジナル版のサウンドトラックも奇跡の復刻ということで、長年待ち望んだ世界中のファンの願いがスターロードに届きましたね。
下村さん:そうですね!
オリジナル版もアレンジ版も、どちらも愛おしい作品です。
1996年に遊んでいた皆さまも、今回のリメイク版で新たにお手に取っていただいた皆さまも、たくさん聴いていただけるとうれしいです。
「マリオ」と下村さんのパワーは絶大ですね。
下村さん:私のパワーだなんて、そんなそんな。でも光栄です。
私はいつも自分の仕事を”縁の下の力持ち”だと思っているんです。
ゲームがあって、その作品のために作った曲だから、一つの要素としてお役に立てればいいなと考えているんです。
下村さんからのメッセージ
最後にサウンドトラックを楽しみにされている皆さんにメッセージをお願いします。
下村さん:世界中で愛し続けてくださりありがとうございます。
皆さまの熱いお声のおかげでこうして『スーパーマリオRPG』の音楽をお手に取っていただけるようになりました。
どのジェネレーションにも楽しんでいただける内容になったと確信しています。
あなたの心に残るサウンドトラックになるとうれしいです。たくさん聴いてください!
ありがとうございました!
待ちに待った『スーパーマリオRPG』のサウンドトラックはいよいよ2025年4月9日に発売!
ここで今回登場する3種類のサウンドトラックのおさらいです。