少女は『故郷から遠く離れた宇宙』に一人、漂っていた。
惑星ランビュランスを蝕む災いを取り除き、ベルダ・クレーマンを仲間に加えた イヴリーシュ達は、未知の宙域を漂う救命艇から一人の少女を救出した。
少女の名は、ティカ・ブランシュ。
乗艦していた移民船の事故で、宇宙に投げ出されたという。
イヴリーシュ達は、ティカを故郷の家族の元へと送り届けるため、
救命艇のAIが指し示す惑星を目指す。
だが当該宙域に到達し、惑星をスキャンしたコロの分析は、驚くべきものだった。
「この星はどう見ても未開惑星です」
ティカの故郷が、未開惑星のはずがない。
だがティカの持つ情報は、彼女の故郷が移民のための航宙艦どころか、
初歩の内燃機関すら存在しないその星だと告げていた。
「有るはずものが無く、無いはずのものが有る、その星の名は『ダフティーネ』。
異形の獣と過ぎたる力が、『月影の梯子』を求め永久の戦いを繰り返す星。」
一人の少女の故郷を探す旅の果てに、星の海に潜む闇と邂逅する。