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REPORT錬⾦ゼミ活動レポート

[第001章] 1-5

アモナ

担当:サンドラ・カサンドラ

あたしたちがウィズワルドの住人の依頼で町の近郊に出没する魔物を撃退している間、クレアはアモナの話し相手になっていた。

魔物といっても大したことはなかったが、ただその数だけは閉口させられた。
魔物の中には、ルーファスが以前見たことのない、そして、あたしがルクセンダルクで見かけたことがある魔物が散見した。
いよいよ、『光の球』によって魔物も世界を転移しているのではないかという説が濃厚になってきた...。

ウィズワルドの町を覆い尽くした樹木は、わずか3か月の間に異常に繁茂した...。
ルーファスが、まるで追及するようにアモナを問いただす。
アモナは困った顔をしてうつむくばかり...。

「だからよ...、そんな小さなガキを問い詰めんなって...」
見るに見かねたスティールがルーファスの肩を引き、腰を下ろしアモナの目線に合わせて笑みを浮かべながら他愛もない質問をしてゆく。

「アモナが好きなものを3つ、俺に教えてくれよ」
おもしろいお父さん、やさしいお母さん、むらさきの花と、探検ごっこ、いつも遊んでくれるガラハードお兄ちゃん...。

質問の答えが3つ以上になっても構わない。
スティールは、今度はアモナの苦手なことを質問し、苦いお野菜、みんなをだましている嫌な人、新しくこの町に来た嫌な人...と、いくつかの答えを引き出した。

スティールは、アモナの頭にそっと手をやり、
「お礼に、このルーファス兄ちゃんの秘密を教えてやろう」
...と、いたずらにほほ笑む。

ルーファスはがり勉でインテリなのにお化けが怖い...まるで子どもの悪口みたいなことをまだ言っている。
怒りだすルーファスと逃げるスティール...。
アモナは笑顔を取り戻していた。

  ***

スティールは、ああ見えてなかなかの聞き上手だった。
なんてことない会話の中で、両親のことをわざわざ"おもしろい"や"やさしい"と言っていたのが、"今はそうでない"と言っているように思えたこと、両親やガラハードを操っている者の存在...が窺い知れた。

ルーファスから逃げていたスティールが戻ってきて、両手をすくめる。
町の人から、また町の外の菜っ葉どもを蹴散らしてくれと依頼があったらしい。

振り返ると、ルーファスもまた両手をすくめ、かぶりを振っていた...。

  ***

町の外の魔物を撃退したあたしたちは、『魔導研究所』へと向かった。
すると、向うからエルヴィスたちが戻ってくる...。

ロディ代表に会えなかったのかとおもいきや、エルヴィスたちを温かく迎えてくれたらしいのだが、グローリアたちが「塔に入りたい」と言った直後、突然激昂してエルヴィスたちを研究所から追い出し、中から鍵をかけてしまったらしい。

いったい、どういうことだ?
この場にいる8人全員が、困惑の表情を浮かべる。
そこに、また謎の声が聞こえてきたのだという...。

(鍵など打ち壊してしまえばよいではないか...)

スティールが反応を示し、セスも応じる。
あたしもまた、とろんとした目つきで鍵を破壊することに賛同していたらしい。

エルヴィスが躊躇を見せると謎の声は、
(であれば、開錠してしまえばよい)
...とささやき、そのスキルをもっているスティールやアデルも大きくうなずく。

「いけない...! こ、このままじゃ...」
アモナはルーファスのコートの裾を握りしめて必死に何かを訴えるも、ルーファスにもその思いは通じない。

突然、ランタンに火が灯り、ルミナが姿を現した。
ルミナは大きなあくびをすると、謎の声にそそのかされたあたしたちに舌打ちし、叫ぶ!
「クレア、そこっ...!! いいから、このランタンで照らしなさい...!」
言われるがまま、クレアがランタンをかかげると、何もいなかったはずの空間に、鎧をまとった大柄な男が現れた...!!

  ***

男は、逃げ去り、我に返ったあたしたちが今見た光景について思い思い話しだす。
あの鎧、ザレルのものにそっくりだった。
エクシラント大陸に、あのような様式の甲冑は見たことがない...。
それぞれ(この記載をしているあたしでさえ)あの謎の声に操られかけていたなんてすっかり忘れてしまっているようだった。

  ***
腕を組み、渋面のエルヴィスがつぶやく。
「はてさて、どうしたものかな...」

ルーファスは、エルヴィスとロディさんがつまらない諍いを起こしたとき、誰にとりなしてもらっていたのかをエルヴィスに思い出させる。

ロディの妻、そしてアモナの母親のリリー...。

そうだ、リリーに聞けば何かがわかるかもしれない。
エルヴィスたちは、先ほどリリーが入っていったという雑貨屋に向かった。