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REPORT錬⾦ゼミ活動レポート

[第001章] 1-10

再戦! 土の将

担当:スティール・フランクリン

幾度となく、下水道を徘徊する魔物にからまれながら俺たちは先を急いだ。

ようやくエルヴィスたちに追いつくと、まさに例の謎の声によってそそのかされようとしているところだった。

クレアがルミナの指示でランタンをかざす...!
あのザレルの鎧を着た大男が現れ、身構える。

「戦闘民族国家ザレルの兵士が、こんな異世界くんだりに何の用だい!?」
サンディの啖呵が下水道内に響き渡り、鎧の男も妖しい殺気をまとう...。

「サージ、お前は私の副将。兵士などではない! 堂々と名乗ってやるがよい」
男の後方にある曲がり角から、聞き覚えのある声が響き渡る。

曲がり角から出てきたのは、土の将ガイラだった。
後ろに、以前遭遇した時とは比べものにならないぐらい精強なザレル兵を従えている。
鎧の大男は、ガイラの副将でサージという名らしい。

まさか、この世界にやってきたザレルの一党だったとは...。
それでは、ルミナが懐かしくも吐き気をもよおすと言っていたのも、ルミナから繭だかなんだかを奪っていったというのも、こいつらザレルの仕業だというのか...。

  ***

ガイラの出現で混乱する俺たちだったが、ガイラの方でも何か揉めている。
副将のサージが巨体の背を丸めガイラに何やら進言し、ガイラがそっぽを向いて離れていよとばかりに手を振ってサージを追いやる...。
大方、正々堂々と戦うガイラと作戦通りに進めようとするサージと意見が合っていない...といったところか。


「さあ、ポン・コーツ、クレア、サンドラにルーファス...!! いざ尋常に勝負っ!!」ガイラが大剣を引き抜き、軽々と旋回させた後、ビタリと見得をきる。

すっかり偽名を憶えられ、目論見通りなのだがどこか納得がいかない。

副将サージが曲がり角を曲がって姿を消すと、ガイラは左手を宙にかざし、念じる。
「大神官様よりいただいた、古の指輪の力を今ここにっ...!! 我に、無限の戦場を与えよ...!!」

  ***

突然、辺りの情景が変わる...!!
足元に広がる凍土。その周囲は緑色の炎が立ち上り、その奥の暗闇には、巨大な石柱が浮遊している...。
ここは...まるで『賢者の間』で謎の声の啓示を聞いた空間ではないか...!

ガイラは、「どうだ、驚いたか!」などとうそぶいているが、どう見ても初めて見る空間に混乱している。

ガイラは、この空間に見覚えがある俺たちに対して、
「何っ、お前たち、知っているのか? ず、ずるいぞ!! 私だって初めて見たというのに!」
...と、子どものように悔しがっている。
(いや、仮にも将ならば、そこは知ってるふりしろよ...)

副将サージが、この空間にいない。
土の将ガイラは、俺たちをこの空間に足止めしようとしているのかもしれない。

俺たちは、それぞれ武器を構えた...。

   ***