BRAVELY DEFAULT BRILLIANT LIGHTS

REPORT錬⾦ゼミ活動レポート

[第7章] 7-19

ビル

担当:クレア

目の前のS・ビリーは、うずくまっている...。
牛頭の巨人はその後ろで仰向けに倒れ、息をしていない。

飛び退いたスティールが、ガクっと膝をついた...。

体中から滴った血が、血砂を黒々と染める...。
ルーファスは肩で息をして、もう戦えないとしきりにかぶりを振っている。

サンディは、刃がボロボロになった2振り目の大剣を棄て、最初に使っていたまだマシな方の大剣を手に取る...。

「くっ、くそがっ...!!」
S・ビリーが、ゆっくりと起き上がる...!

「まだだ...!! 俺はまだ、終われねぇンだよ!!」
S・ビリーの義手が禍々しい唸りをあげて、白煙を噴き出す。

二の腕で連結された義手のパイプから、何かがS・ビリーの中へ流入してゆくのがわかった。

S・ビリーが弾かれたようにのけぞり、体中に血管が浮かびあがる。

「くっ...まだだ!!」
この時、果たして意識が残っていたのだろうか...、次の瞬間、S・ビルの義手が轟音を立てて爆発した。

周囲に黒煙が巻きあがる。
足を引きずりながらスティールがS・ビリーに近づいてゆく...。

「ビル...、頼みの綱の義手はぶっ壊れ、集めた仲間は、みな逃げ出したか捕縛された...もう、観念しろよ。ビル」

S・ビリーは、もう動けない...。

「その名を...呼ぶな...その名を呼んで...いいのは、親父だけだ...」

S・ビリーの開いている方のまなざしが不確かなものになってゆく...。

「俺が13歳になったあの日...、親父と俺の前に、光の球が現れた...」

「見たこともない綺麗な光でな...、俺は、親父にあげようと、左手を光の球に差し出した」

「...喜んでもらうはずだったのによ...腕を無くした俺を見て、親父は悲しんでいやがったな~...」

急にせき込みだし、大量の血を吐いたS・ビリー。

「もうしゃべるな。義手の他も、もうボロボロなんだ」

S・ビリーの目は、もう何も見えていない。
スティールとは少し違う方向を見ながら、大声をあげる...。

「う...るせぇ...!! 俺に指図すんな、俺はスコーピオン・ビリー!!」

「闇の...十傑に...なる...おと...こ」
そう言いかけた時、再び義手が大爆発を起こした。
のけぞり、そのおかげでスティールと目を合わせることになったS・ビリーは、今までにない落ち着いた口調でつぶやいた。

「ス、スティール...、キドケイユの村へ...行け...そうすれば、親父のことが...わ...」
...そういって、大きな音を立てて崩れ落ちた。

「あばよ、ビル...」

周囲から起きた勝ち鬨が鳴り響く中、スティールが手にしていた長剣が力なく落ち、血砂に刺さるとそのままゆっくりと倒れた...。
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