
2023.01.25
【開発ブログVol.1】シアトリズムのなりたち

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鈴井 匡伸(シリーズディレクター/indieszero)
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好きなFF:FF1~FF3(心に刻まれた原体験としてのFF)
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好きなFF楽曲:FF7 闘う者達(力強い音色から大きく変化するサビのパートが好きです)
はじめまして、TFBLでシリーズディレクターを担当した鈴井匡伸です。
今作ではプロジェクトの立ち上げから、ゲーム全体の大まかな監修や業務全般の窓口を担当しました。
今回は、どのようにシアトリズムが生まれたのかをご紹介しようと思います!
初代シアトリズムは今から12年ほど前に企画検討がはじまりました。
キッカケは今作でもプロデューサーを担当しているハザマさんから「FFの音楽を活かしたリズムゲームを考えてみないか?」と、ご相談いただいたのがはじまりでした。
そのテーマを元にインディーズゼロで作成した企画書がこちらです。
当時の仮タイトルは『FINAL FANTASY is Music』という、とても壮大な名称でした(苦笑)。
現在の『シアトリズム』というタイトル名は、初代の開発中に野村哲也さんが発案してくださりました。
似た言葉が存在しない唯一無二の名称で、とても素敵なタイトルだと思っています。
ちなみに、本作のタイトル名『ファイナルバーライン』も、野村さんと打ち合わせをしている中で決まったタイトル名です。五線譜などのUIデザインで扱う音楽関連のモチーフからの連想で「終止線」というキーワードが浮かび上がり、そこからタイトル名が決まっていきました。
キャラクターデザインについても少し触れさせてください。
初期の段階から『キングダム ハーツ モバイル』でモンスターオクトパスさんが描かれたデフォルメキャラクターのデザインを活かしたゲームにしたいと考えていました。
元々のデザインをベースにキャラクターやモンスターの存在感をより感じてもらえる質感グラデを追加して、あらゆる世代ナンバリングのバトル・フィールド背景とより馴染む、シアトリズム独自の絵作りをイメージしていました。
プレイヤーの皆さまが楽曲を聴いて思い出される数々の懐かしいゲームシーン。
そんな当時遊んでいた冒険の記憶を、シアトリズムを遊ぶことで再体験できたらとシステムを考えました。
RPGの楽曲を題材にした音楽ゲームですから、システムもひとつではなく、フィールド、バトル、イベントそれぞれのシーンに適した仕組みを用意して楽しんで頂くことを第一に考えました。楽曲の曲調の傾向もシーンごとに違うことも意識して、それぞれの場面にあわせたシステムを考えました。
また純粋にプレイヤーの腕前でゲームのクリアが決まるのではなく、音楽の出典元となる『FF』のRPGと同じく、レベルを上げたり習得したアビリティやアイテムで工夫したりすればステージをクリアできる可能性が高まるリズムアクションにしたいという思いがありました。
そんなこんなで、ナンバリングごとの代表曲を選定して企画書と一緒にご提案したのがはじまりでした。当時の3DSはDSよりは大容量なカードが使えるといっても、いまとなっては容量は小さなものです。名曲ばかりが揃う歴代ナンバリングの代表曲の中から、ハザマさんも含めたスタッフみんなで、悩みに悩みぬいて(選曲の根拠も情報収集して)楽曲を選定したことを今も懐かしく思います。
時は流れて2023年。
初代の発売からちょうど11年後の2月16日に、最新作『シアトリズム ファイナルバーライン』を皆さんのお手元にお届けできることとなり本当に嬉しく思います。発売まで今しばらく、このブログと共にお待ちくださいませ。
おまけ
最後に企画書といっしょに発掘された初代検討時のほかの資料もチラリとお見せしますね。
企画書を作成する前の遊びのイメージをホワイトボードやメモ帳に手書きで描いてまとめていました。 なんだかごちゃごちゃしてますが、ゲームシステムがわかる片鱗がありますね。
雑誌などに掲載するためのシアトリズムの「ジャンル名」を開発メンバーで無駄にいっぱい検討してスクエニさんと会議したときの資料です。(発掘された時、こんなにいっぱい検討しなくてもいいのにと当時の熱量に苦笑しました)最終的にはいろいろミックスされて『シアターリズムアクション』になりました!
次回はインディーズゼロの開発現場についてのブログをお届けする予定です!





