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2022.02.04

開発ブログ vol.005 プロデューサー 小松陽平

みなさん、こんにちは。本日は『ブレイブリーデフォルト ブリリアントライツ』(『BDBL』)開発ブログ第5回をお届けして参ります。

本ブログでは、普段あまりお見せすることができない開発チームの制作コンセプトやデザイン意図、非公開資料や開発中のエピソードをご紹介できればと思っております。

開発ブログ第5回の今回は、『BDBL』の企画立ち上げからプロデューサーを務める小松陽平(スクウェア・エニックス)にお話をお聞きしました。先日正式サービスが開始されたばかりの『BDBL』の注目ポイントやゲームの進め方をはじめ、気になる今後の展開についても語っていただきました。

■正式サービス開始直後の緊急メンテナンスについて

サービス開始後に生じた度重なる緊急メンテナンスにつきまして、ゲームを楽しみにしていただいたプレイヤーの皆様に大変ご迷惑をおかけしてしまったこと、改めてお詫び申し上げます。

その状況の中でも待っていてくださり、かつ不具合などをご連絡くださったプレイヤーの皆様に、とても感謝しております。皆様にご満足いただけるサービスを提供できるよう、引き続き開発チーム一同、全力で努めてまいります。

■統一感にこだわったキャラクターのビジュアルに注目してほしい

──127日に正式サービスを開始した『BDBL』ですが、プレイ開始してまず注目してほしいポイントがあったら教えてください。

小松:
わかりやすいところでいくと、一番はキャラクターのビジュアルを注目していただけると嬉しいです。

今作には、2012年に発売された『ブレイブリーデフォルト』のキャラクターや『ブレイブリーセカンド』、2021年に発売された『ブレイブリーデフォルトII』のキャラクターなど、「ブレイブリー」シリーズの様々な作品よりキャラクターたちが続々と登場する、いわゆるオールスターキャラクターゲームですが、これらのキャラクターをそのまま並べると、どうしても違和感がでてきてしまい......

かといって、デフォルメ感を間違うと魔改造されたものが誕生して、ファンに対して裏切りになってしまう。同じ世界に存在しているキャラクターとして統一感のあるビジュアル作りは苦労した点であり、こだわった部分でもあります。

──自分が好きな作品に登場した思い入れのあるキャラクターたちに、同じゲームの中で会えるのは、シリーズファンにとっては嬉しいでしょうね。

小松:
今作はシリーズ10周年記念のタイトルですので、シリーズファンの方々に楽しんでいただきたい想いはもちろん大きいです。

ただ、同時に、本作をきっかけに「ブレイブリー」シリーズを知り、興味を持ってもらえるような、シリーズ未体験の方でも楽しめる作りというのも大事にしています。

──例えばどのような?

小松:
まず、シナリオでしょうか。「ブレイブリー」シリーズを知らない方が読んでも楽しめるものをと、シナリオライターの網代(恵一)先生に作っていただきました。

今作では「8つのクリスタルの輝きを集める冒険」を中心に物語が描かれていくのですが、その過程で過去作の舞台であるルクセンダルクやエクシラント大陸の世界をかいつまんで知ることができ、原作品の追体験ができるようになっています。

また、本作の主人公たち4人に関わる形でシリーズキャラクターたちも続々と登場していきます。そのやりとりをきっかけに過去作にも興味を持っていただければ......という気持ちも込めつつお話は仕込ませていただいています。

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──「ブレイブリー」シリーズの入り口としても機能するように作られている、と。

小松:
そうですね。逆に、キャラクターの技や装備品などは「あのときのあのアイテムだ!」と、シリーズファンがニヤリとできる仕込みもしていて。表面的には誰もが楽しめて、深いところでファンがより楽しめる。そんな区分けになっています。

■まずは好きなキャラクターを育成するところに楽しみを

──サービス開始直後ということもあり、『BDBL』をどう進めていけばいいのかわからないプレイヤーの方もいると思います。「こう進めるのがおすすめ」というゲームの流れはありますか?

小松:
最初に好きなキャラクターを入手できるようにしているので、まずは好きなキャラクターを仲間にして育成するところに楽しみを感じていただきたいです。

ゲーム序盤は、メインストーリーを進めつつ、強化素材を入手できるクエストで素材を集めてキャラクターを育成する、というのを交互にしてもらえれば、迷わず進められると思います。

──「育成の楽しみ」とは具体的にどのような体験なんでしょう?

小松:
本作では、育成の過程によって、同じキャラクターでも最終ステータスが異なる設計になっています。

自分なりの最高のキャラクターを育て、バトルでどう活躍させるか戦略を練るところを楽しんでいただけると嬉しいです。

もちろん、満足のいく育成が出来なかった場合は、改めて育成できるようにしているので、安心していろいろ試してみていただければと。

──「強いキャラクターを育てて効率的に進めたい」気持ちの方も多いと思うのですが、最初に育てたほうがいいキャラクターって誰かいますか?

小松:
それについては、今作はシリーズキャラクターを大切に扱いたい想いがあり、「キャラクターごとにレアリティのような優劣をつけないようゲームバランスを作る」というのをチーム内で大事にしています。

レアリティによる優劣がありませんし、純粋な性能差ではなく、タンクやヒーラーなどの役割によってキャラクターごとの差別化を図っています。

挑むバトルコンテンツによって、戦う敵によって、向き不向きはありますが、どのキャラクターもしっかり育てれば活躍できるよう作っています。ですので、まずは自分が気になるキャラクターを選んでもらって、成長して強くなっていく過程を楽しんでいただきたいです。
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──どのキャラクターにも役割があるので、安心して好きなキャラクターに育成リソースを注ぎ込んでください、ということですね。

小松:
そうですね。タンクがほしいけど好きなキャラクターがヒーラーで、そのヒーラーをどうにかタンクとして運用しよう......みたいな希望にお応えするのは難しいのですが、どのキャラクターを育てても後悔しないようなバランス作りは意識しています。

──キャラクターを育成した先に待っているバトルコンテンツとしてはどのようなものが用意されているのでしょう?

小松:
「ひとりでマイペースに遊べる」のが今作の特徴でもあるので、現状は「ひとりで突き詰めて遊べるバトルコンテンツ」をエンドコンテンツとして用意しています。

ただ、『ブレイブリーデフォルト フェアリーズエフェクト』のころからプレイヤー同士のコミュニティというのは非常に大事だなと感じていて。

「ひとりで遊べる」が主軸ではあるのですが、チーム(ギルド的な)やチャット機能など、プレイヤー同士が交流できる場も用意しています。※チャット機能でも現在ご迷惑をおかけしております。もうしばらくお待ちいただければと思います。

──ちなみに今後のイベントだったり登場するキャラクターたちの情報はお伺いできたり......?

小松:
すみません! 現時点でお話できることは多くなくて......。でも、かなり先までの計画を細かく組んでいます。

キャラクターの追加、イベント、新機能などが気になる部分かと思いますが、取り急ぎいまお伝えできるものとしては、正式サービス開始後1ヵ月以内を目安に新機能をテストバージョンで実装する予定というところでしょうか。詳細については後日お知らせいたしますので、楽しみにしていただけると。

■「自分の好きなキャラクターと一緒に冒険したい」気持ちに応えたかった

──「キャラクターガチャなし」というのが本作の特徴のひとつにあると思いますが、キャラクターの入手方法をガチャではなく、選んで入手できる形式を採用したのにはどのような理由が?

小松:
もともと「キャラクターガチャなし」にしたいというのは僕が言いだしたことでして、ゲームを始めたら「自分の好きなキャラクターと一緒に冒険したい」のがプレイヤーとして当然の気持ちじゃないですか。そこに応えたかったんです。

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──好きなキャラクターを確実に仲間にできるというのはプレイヤー視点でも嬉しいところだと思います。

小松:
そうですね。CBTにおいても、自分の好きなキャラクターを直接選べて、確実に入手できる点については、概ね好評をいただけました。

我々が今作で掲げている「シリーズファンとシリーズキャラクターが交流できる」コンセプトの体験に繋がる部分でもあるので、CBTの反応は自信に繋がりましたね。

──本作ではキャラクターガチャがない代わりに装備ガチャが用意されています。装備による強さへの影響ってどの程度のものなのでしょうか?

小松:
ガチャで提供させていただく以上、装備の性能自体は強いものになっています。キャラクターごとに専用の武器、アーティファクトがあり、それを装備することでキャラクターは確実に強くなります。

ただ、専用装備がないとバトルで活躍できない難易度設計にはなっていません。キャラクターさえ入手すれば、日々のプレイでカンスト状態まで育成は可能ですし、専用装備がないからと言ってメインストーリーで詰んでしまう事態にはならないように作っています。

──専用装備前提の難易度ではない、というのをお聞きできてホッとしました。

小松:
そこについてはご安心いただければと思います。エンドコンテンツにガチで取り組みたいとき、そのキャラクターをより愛したいと思っていただいたときに、初めて装備ガチャの選択肢が出てくるイメージで考えていただけるといいのかもしれません。

■シリーズファンが楽しんでくれるタイトルを目指して

──正式サービスが開始された今、開発を進めるなかで印象に残っているエピソードって何かありますか?

小松:
「ブレイブリー」シリーズ統括プロデューサーである浅野(智也)さんに、今作の企画を提案するときのことは記憶に残っています。

10周年を彩るタイトルとして、オールスターという形はふさわしいとは思っていたのですが、当時は『ブレイブリーデフォルトII』も開発中で、どのようなキャラクターが出るのか、世間の反応はどうなのか、わからない状況で。個人的には挑戦的な企画な意識はありました。

──その状況であえてオールスターキャラクター登場にこだわった理由とは?

小松:
当時の「ブレイブリー」シリーズと言えば、まだどうしてもティズ、アニエス、リングアベル、イデアなど初代キャラクターの印象が強いじゃないですか。

シリーズファンにとって、自分が一番思い入れの深い作品や、敵味方にかかわらず、一番好きなキャラクターがいると思います。「ブレイブリー」シリーズのスマホゲームを作るときに、『ブレイブリーデフォルトII』のスピンオフという形だと、シリーズファンとしては寂しく感じる人も多いんじゃないかと思ったんです。

──なるほど。企画を提案したときの浅野さんの反応はどうだったんでしょう?

小松:
ウェルカムな反応でした。もともと浅野さんは「ファンが喜んでくれるならいいんじゃない」という考えかたの方なので、初代ファンの方にも楽しんでいただきたいという想いをお伝えしたところ、好反応をいただけました。

■プレイヤーの方々と対話型で作っていきたい

──過去4回に渡ってお送りしてきた開発ブログでは開発チームメンバーのさまざまなお話をお伺いしてきましたが、これまで登場された方以外で小松さんの印象に残っている開発メンバーの方がいたら教えてください。

小松:
それで言いますと、開発を担当していただいているナウプロダクションさんの開発メンバーの方々の熱量が非常に高くて、ありがたかったです。

もともと「ブレイブリー」シリーズが好きな方もいたんですが、シリーズを知らない方も実際にプレイして勉強してくれて、開発に取り組んでいただきました。

開発中、「キャラクターの必殺技の演出、こうしませんか?」と、ゲームを知っているからこそできる提案も数多くいただけて。そういった熱量の部分も感じとっていただけたらうれしいです。

──ありがとうございます。リリースされた『BDBL』の今後の展開を楽しみにしています。

小松:
「ブレイブリー」シリーズはプレイヤーの方々と対話型で作っていきたいというのがチーム全体の意識としてあります。

計画自体は組んではいるのですが、プレイヤーの方の反応や意見を拾って、柔軟に運営に反映していければと考えています。

本作は、シリーズファンを意識した作品というのは間違いないのですが、未体験の方でも楽しんでいただけるように、シリーズの歴史や世界観を追体験できるような作りにしております。今作をきっかけに「ブレイブリー」シリーズの魅力を知っていただけるとうれしいです。

――ありがとうございました。

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