BRAVELY DEFAULT BRILLIANT LIGHTS

REPORT錬⾦ゼミ活動レポート

[第004章] 4-7

水源洞

担当:サンドラ・カサンドラ

『水源洞』への入り口は、町の中...しかも建物の中にあった。
暗い隠し通路のような場所を抜けた先の階段を下りてゆくと、洞穴へと繋がっていた。
  ***

幻想的な風景が広がっている...。
淡い光をたたえるコケに覆われた洞穴内を眺めながら、あたしたちは坂道を下っていった。

  ***

ルーファスが仕入れてきた情報によると、約30年前、ミューザの王族が砂漠で魔物に襲われた時にリオン王に助けられたことがあり、そのよしみで、絶えず渇水にあえぐサヴァロンに対してミューザが支援を申し出て作られたのがこの『水源洞』なのだという。

いつの間にか、あたしたちは水源洞の底へと来ていた。
洞穴内をくまなく探しはしたものの、クリスタルらしきものは発見できていない。

姿を現したルミナも、この洞穴内で羽の反応はあまり感じられないという...。

「それにしても、凄い滝だねぇ~」
あたしは、目の前に見える大きな滝とそこから流れ落ちる膨大な水量を見て、思わず口にしていた。
あまりにも大きな水の音に、大分声を張らなければ会話もできないぐらいだ...。

「滝っ...? 滝ですって...?」
突然、クレアが素っ頓狂な声をあげる...。

滝がどうしたのいうのだろう...。
さっきからごうごうと音を立てているし、もっといえば、この洞穴に入った時から遠くでは滝の音は聞こえていたはず...。

クレアは、大きくかぶりを振る。
「そうじゃないの!」

曰く、ミューザ国の支援で掘られた水源は、あたしたちの足元に見える水のこと。
それなのに、そこに落ちる滝が目の前に見える...つまり、この膨大な水量が、別のところから湧いているということを表している。

サヴァロンの町にあふれている水が滝になって流れ落ちているのでは?
...だとしても、サヴァロンの町にあふれる水は、ここ『水源洞』とは別のところから来ていることになる。

そこにきっと...、水のクリスタルがある...!
あたしたちはそう確信し、水源洞を後にすることにした...。

  ***

「詩人だかなんだか知らねぇが、文無しに喰わせる飯はねぇ! 失せやがれ」

地上に出てすぐ、あたしたちの耳に入ったのは、屋台の主人の罵声だった。
そちらを見ないでも、誰が罵倒されていたのかすぐにわかった。

スティールは、何枚かのpq硬貨を素早く屋台の主人に握らせて言った。

「まあ、まあ、まあ。そう言わないで、こいつに何か作ってやってくれよ」

  ***

「いや~、満腹満腹...。久しぶりに胃が満たされ、歓喜の悲鳴をあげていますよ」
辛そうな屋台飯をとんでもない早さでかき込み、水で流し込んだオルフェが満足そうな声をあげる。

王宮の出入りを許されている者に、支度金のひとつもよこさないとは、カストル王子も案外ケチんぼらしい...。

オルフェは、大いにうなずきながらさらなる王宮情報を披露した。

あれほど水を欲していたサヴァロンの民が、この増水騒ぎで怨嗟の声を上げ始めている。
カストル王子は、ことあるたびにこの件を議会に諮(はか)っているようだが、バーナード評議員は、自分が掘り当てた水脈のせいである可能性に言及して、自らの財を民への補償に充てる旨を発表し、他の評議員から喝采を浴びている。
そしてそれを、カストル王子は苦々しく思っている...。

オルフェの情報が、どんどん危険な匂いを放ってくる...。

先日、王子が放った密偵の死体が、海岸に打ち上げられた。
そこは、すぐ近くにバーナード評議員の屋敷が立つ海岸...。

明日も、明後日も議会があるそうで、その間、バーナード評議員はこの町に逗留するらしい...オルフェは、あたしたちが何を探ろうとしているのかを見透かして情報を流している...。

スティールは、腰からpq袋を取り出してオルフェに手渡す...。
「いい情報をありがとう。これは、情報料と当座の飯代だ」

オルフェは、さっそくpq袋を開けて中身を確認すると、屋台の主人を呼んでお代わりをオーダーしていた...。

あたしたちは、バーナードの屋敷を調べることにした。
そして、雑踏の中からあたしたちの様子を窺う男、ウガンがいた...。