BRAVELY DEFAULT BRILLIANT LIGHTS

REPORT錬⾦ゼミ活動レポート

[第1章] 1-4

出会い

担当:クレア

私が何かを考えあぐねているのをみて、ルミナが姿を現した。

この状況、そしてこの雰囲気...。
なんだかナメッタ村を封鎖していた樹木に似ている...自分でもさすがに勘違いかもしれないと思っていた意見を、ルミナはあっさりと肯定してみせた。

「勘違いじゃないわよ。ナメッタの谷を閉ざしていた樹々も、この町を覆い尽くす樹木も、土の力が異常をきたしている証拠...」
この町の異常繁茂は、土の力が異様に溢れているせいだといい、それは、ナメッタ渓谷も同じだという。

ルミナは町の中心の『摂理の塔』を見上げ、おそらくあの塔のてっぺんに暴走状態のクリスタルがあ(るはずよ)...そうつぶやくと、何かの気配を感じたのか姿を消してしまった。

  ***
『摂理の塔』へと続く道を4人の男女が歩いてくる。
...様子がおかしい!

「い、痛ちちちち...」
先頭の男の人がよろけて膝をつくと、後ろの3人も次々とうずくまった...。

  ***
私が4人の介抱をしていると、スティールが近づいてきて何かに気づき、小声で「来訪者の中で見かけたような気がしてな」と知らせてくる。

そういえば...、私もこの中の何人かと会ったことがある...。

「たたたた、旅のお人...!」
先ほど私たちにこの町の情報を話してくれた人が、真っ青な顔をしてかけこんでくる。
町の入り口に化け物が現れたので、私たちに退治してほしいらしい。

4人の介抱をしている私を置いて、スティールたちが町の入り口へと向かっていった。

  ***

傷が癒えた4人は、思い思いに立ち上がって礼を言い、グローリア、船乗りだったというセス、学者のエルヴィス、用心棒のアデルと名乗った。

私たちも順に名乗りを入れ、最後にルーファスがエルヴィスに向かって話しかける...。
「魔法学者のルーファス...です。憶えてませんか? エルヴィスさん」

「うん...? お前さん、もしや...!」
ルーファスのことを思い出したエルヴィスは、ルーファスが町を出てからの顛末を足早に語って聞かせようとしたが、その多くは、町の住人から聞いたものと同じだった。

「お知り合い、だったのですか」と聞くグローリアさんにエルヴィスさんは笑いながら答える。

「ああ。少々理屈っぽいところがあるが、信用できる男だ」
エルヴィスさんは、今度はルーファスの方に振り返り、

「聞いて驚くな。3年前、ミューザ国から奪われたクリスタルだ」
その場にいる全員が驚愕する。

「...では、グローリアさん、とは...」
ルーファスに問われたグローリアさんは、観念したように目を伏せた。

  ***

グローリア・ノイ・ミューザ
クリスタルを奪われて滅亡したミューザ国の王女様だという。
亡国の王女が、この樹木に覆われたウィズワルドにどうして...。

「吾輩たちは、あの塔の天辺に土のクリスタルがあると踏んで入ってみたはいいが...」
エルヴィスさんたちは、『摂理の塔』に踏み入れたところ、入口で番をしていた(ルーファスも知っている)ガラハードという男が頑として通してくれない。
説得を試みていると、ガラハードが突然豹変して襲い掛かってきたのだそうだ。

恐ろしく硬いヤツでね、いかなる攻撃もまったく歯が立たない...そんな説明に、サンディもスティールも逆にやる気が出てしまっているようだけれど...。

ふいに何か、低い声が聞こえてくる...。

(そうそう...。もう一戦してみれば、勝てるかもしれない)
セスさんが少しとろんとしたまなざしで、謎の声に答える。
「そうだな...。やってみるか...」
アデルさんもそれに続く。
「負けてられないわ...!」

エルヴィスさんも大きくうなずき、ガラハードとの再戦を宣言する中、アモナがルーファスにしがみついて叫んだ...!

「ルーファスのお兄ちゃん...。この人たち、間違った道を進もうとしているの」
何を言われているのかさっぱりわからないルーファスさんに尚もまくしたてるアモナ。

「やみのささやきに耳を貸してしまったの。その明かりで、やみを照らしてあげて!」私が用意したランタンをルーファスは手で制して、再戦に高ぶるエルヴィスさんに静かに語り掛けた。

「エルヴィスさん、ガラハードさんと再戦するよりも先に、まずはこの国の代表、ロディさんに話を聞きに行くべきではないですか?」
ルーファスの言葉は、エルヴィスの耳に届いたようだ。
ロディというこの国の代表、そしてエルヴィスにとっての兄弟子に相談することを決めたエルヴィスさんたち4人は、『魔導研究所』へと向かっていった。

「これでよかったのかい...?」
ルーファスの問いに、アモナは遠ざかる4人を見つめながら静かに頷いた。