BRAVELY DEFAULT BRILLIANT LIGHTS

REPORT錬⾦ゼミ活動レポート

[第1章] 1-7

下水道

担当:クレア

ルーファスが、アモナを探していた...。
何か、姿を見せないアモナに対して、特別な焦りを感じているような表情だった。
そのルーファスさんの姿を見て、サンディとスティールが首を傾げている。

「ようやく気づいたのよ...」
ルミナが姿を現し、悲しげな表情でアモナを探し続けるルーファスを見ている。

  ***

アモナが、幽霊...?
私は、思わず声をあげ、サンディとスティールが振り返る。

幽霊、霊魂、残留思念...呼び方はいろいろあるけれど、アモナは、もうこの世の者ではない...。
「みんなでお話してたじゃない...」
認めたくない私に、「そりゃあ、話ぐらいするでしょうよ。あの子たちは、そのために出てきているんだから...」ルミナの答えは冷たい。

そうは言ってもな...スティールがサンディに振り返った時、ルーファスさんが肩で息をしてたたずんでいた。

「そ、そんなはずはない...!! アモナは、アモナは...」
ルーファスさんは、まるで驚きの事実を突きつけられた衝撃ではなく、信じたくないものが事実であると証明された衝撃に打ち震えているようだった。

幽霊嫌いのルーファスが恐れおののいている...そんな風に受け取ったスティールが、見当違いのなぐさめを続け、ルーファスを苛立たせる。

仮にアモナが幽霊だったとして、どうして私たちの前に現れたのか...。
私の疑問にルミナが教え諭すかのように答える。

「...思い出してごらんなさい。アモナは、あなたたちとしか話していないでしょ?」
そういえば...、アモナは町住人やエルヴィスさんたちと直接会話を交わしていない。

「この世界で霊魂になったアモナは、この世界の生者とは話すことはできない。さっきの4人のほとんどは、アモナの姿すら見えていないわ」
だってそうでしょ? アモナにしてみたら、両親の親友のエルヴィスさんに打ち明けた方が手っ取り早いはず...。
ルミナの言うことは一理あった。
それ以上に、4人の中でアモナの姿を見えている人のことも少し気になった。

  ***

うつむいていたルーファスが、震える声で語りだす。
アモナは、リリーさんのおつかいでロディさんに荷物を届ける途中、その荷物が爆発して...。
ガラハードの目の前で命を落としたのだという。

ロディ夫妻の様子が変なことは愛する娘アモナを失ったから...。
仲のよい両親に戻ってほしい...アモナの願いはそんなところか。

アモナは、「あの人たち、間違った道を進もうとしている」と言っていた。
「やみのささやきに耳を貸してしまった」...とも。
「その明かりで、やみを照らしてあげて」そう言われたクレアがランタンをかざした先に、あのザレルの鎧を着た大男が現れた...。

ルミナは、私たち同様、クリスタルの恩恵を得るためにこの世界にやってきた者たちがいることを明かし、まるでそれらが何者なのかを知っているかのような口ぶりだった。

道を間違えようとしているのがエルヴィスさん、やみのささやきは、ザレルの鎧を着た大男とみて間違いないだろう。

私たちは、エルヴィスさんたちを追って、下水道へと向かった。

  ***

下水道の中は、ものすごい臭いが充満していた。
ルーファスは、香水を振ったハンカチを鼻にあてている。
スティールは、ブラスの下水道もこんなもんだと、サンディさんも顔をしかめるでもなく平然としている。

上流から、やけに鮮やかな青い水が流れてくる。
この場にそぐわない、異様な雰囲気を醸し出していた。

  ***

スティールがその場にしゃがみ込み、水路沿いの地面の様子を窺っている。
エルヴィスさんたちの足跡があるらしいのだが、私たちにはまったくわからなかった。

エルヴィスさんが先頭を歩き、しんがりがセスさん。
アデルさんは汚れるのを嫌うように妙な歩幅で、グリーリアさんは意地になって歩いているのがわかるらしい。

それと...立ち上がってふり向いたスティールさんは、鋭い目をしていた。

スティールさんが知らない足跡が7つ以上。
鍛え抜かれた兵士のような足跡が残っているらしい。

私たちは、先を急いだ。