初公開となる設定画も！『ファイナルファンタジーXIV』キーキャラクター・スフェーンのデザインを手がけた板鼻利幸へのインタビュー

世界中のプレイヤーと共に冒険ができるRPG『ファイナルファンタジーXIV（FF14）』。
先日のパッチ7.3で最新拡張パッケージ『黄金のレガシー』の物語がひとつの完結を迎えました。この中でキーキャラクターとして活躍したのが、キャラクターデザイナー・板鼻利幸によってデザインされた「スフェーン」です。

スフェーンの衣装は『黄金のレガシー』の物語後半で別のデザインに変わります。2種類の衣装がそれぞれどのようにデザインされたのか、板鼻利幸（以下、板鼻）にインタビューを実施しました。初公開となる設定画と共に、お届けします！

※本記事は「スフェーン」に関するネタバレをふくみますので、最新アップデートまでプレイされていない方はご注意ください。

――まずは1つ目の衣装のスフェーンをデザインされる際に、どのようにアプローチされたかや、そのデザインがどのようにして生まれたのかという思考プロセスについてお聞かせください。

　

▲初登場時のスフェーンの設定画。豊かな表情も描かれています

　

板鼻：
まずはデザインの依頼書にあった『人造幽霊』というキーワードが面白くインパクトがあったので、「生きて歩くお墓」というテーマでデザインしてみようと思い、案を出しました。

幽霊なのに「フリルなどで装飾した可愛くて明るいドレス姿」ということで、華やかだけれど、髪型なども左右正対称であったりと、どことなく見る者に人工っぽさや不自然な印象を与えたいと思いデザインしました。

背中や腰の装飾はストレートに墓標をイメージしています。
貰った画像資料にあったソリューション・ナインの光り輝く電脳空間のような街も、かなりデザインに影響を受けました。

あとは吉田P/D（『ファイナルファンタジーXIV』プロデューサー兼ディレクター・吉田直樹）から「グラフィックスアップデートで髪型や質感の表現がより豊かになる」とお話を伺ったので、ドレスの各パーツの質感まで細かく提案させていただくなど、楽しみながらデザインしました。

　

　

――それでは2つ目の衣装は、どのような着想から生まれたのでしょうか。

▲本記事で初公開となる、『黄金のレガシー』の物語が進んでから登場する衣装をまとったスフェーンの設定画

　

板鼻：
一つ目のデザインも胸やお腹まわり、背中の装飾など、『ファイナルファンタジーIX』のガーネットの衣装をモチーフにしているところがあるのですが、2つ目は『ファイナルファンタジーIX』の冒頭でガーネットがジタンに誘拐してほしいと依頼するシーンで着ていた白いフード姿をモチーフにしています。
ガーネットが初めて他人に助けを求めて自ら動いていく時に着ていた衣装ですが、この２つ目の衣装を着たスフェーンの行動が、フードガーネットの心境に近いものがあるのではないのかと思い、デザインしました。

この衣装はソリューション・ナインで購入したという設定なので、街の住民も利用するセレクトショップの店先で、同一ブランドのアイテムをひと揃えマネキンに着せたようなコーディネートとして落とし込めるように、コンセプトカラーとデザインのテイストを決めたうえで上着からＴシャツ、靴までアイテムごとにデザインしました。

実際に実装されたイベントを遊んでみたところ、シェールさんが用意してくれたというお話の流れだったので、「シェールさんが急ぎどこかで買い求める際に、普段自分があまり着ない服を見つけて買ってみたのかな」などと想像しました。

あとは、細かいですが髪型も冒頭に現れるスフェーンから前髪の輪を取っただけでなく、正面髪を少し横に流したり、サイドの髪を自然に下ろしてもらったりと変化をつけています。
これだけでもずいぶん印象が変わったのではないかと思いますがいかがでしょう。

　

▲初期登場時とは異なり、自然体で活発な印象の装いになっている。

　

――2つの衣装それぞれのデザインでこだわった点／お気に入りのポイントを教えてください。

　

板鼻：
一つ目のドレスのこだわりのポイントは、全体的に人形っぽさを出したかったので、下からライトがあたったショーウィンドウの人形のように見せるためにスカートの内側を明るくなるような装飾をデザインしています。
キャラクターモデル制作のスタッフさんが綺麗に仕上げてくださって嬉しかったです。

　

　

２つ目のカジュアルな衣装については、大きなフードやローブのような袖まわりでありつつもファンタジーの衣装に見えないように、でもファンタジーの世界でも通用するデザインにしたいと考えた上着がお気に入りです。

一番苦労したのは靴ですね、衣装に合うように何度もデザインをし直しました。今、デザインを見直すと少し大きめのサイズの靴をがんばって履いている感じがありますね。

お尻からはみ出たグリーンのポケット裏は、モデル制作のスタッフさんからポケットの裏は前に出るのではないかと指摘があったのですが、背面に差し色が一色欲しかったという理由から、あれは尻ポケット裏地でもあり、アーバンスポーツをする際のサポーターという設定でつけて貰いました。

　

　

――FF14プレイヤーの皆さんへ一言お願いします。

　

板鼻：
スフェーンのデザインをさせていただきましたが完成したストーリーは私も知らなかったので、リリース後はプレイヤーとして「このストーリーはどうなっていくのだろう」と、とても楽しみました。
物語に夢中になりながらも街でスフェーンに出会うといつも「体調は大丈夫？」「ご飯はちゃんと食べてるか？」と心の中で話しかけていました（笑）。

魅力的なキャラクターがたくさんのFF14。
これからもみなさんと一緒にエオルゼアでの冒険を楽しみ続けたいと思っています。

最後に、小説「FINAL FANTASY XIV　光の回顧録　Chronicles of Light Volume II」が発売中です。
新規書き下ろしを含む、心を揺さぶる30のストーリーに差し絵を担当させていただきました。
ぜひお手に取って、FF14の世界をより深くお楽しみください！

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スフェーンに込められた様々な想い、いかがでしたでしょうか？
魅力的なキャラクターが多数登場する『ファイナルファンタジーXIV』は、これからもアップデートによりまだまだ冒険の世界を広げ続けていきます。今後もお楽しみに！

　

■ファイナルファンタジーXIV（FF14）について
『ファイナルファンタジーXIV』は広大な世界を舞台に、世界中のプレイヤーと共に冒険ができるRPGです。この世界には、あなた自身が主人公となり、世界を救う重厚なストーリー体験が待ち受けています。もちろん、謎に満ちた多数のダンジョン、白熱する多様なボスバトル、さらに、ひとりでのんびり釣りをしたり、仲間と一緒に冒険したりと、楽しみ方は無限大です。
RPG3本分のストーリーが無料の「フリートライアル」もあり、まずは多くの冒険者たちが集うこの世界を体験するだけでも、感動や驚きが待っているはず。あなただけの冒険へ旅立ちましょう！

FF14フリートライアルサイト
https://sqex.to/ff14ft

『ファイナルファンタジーXIV: 黄金のレガシー』 公式サイト
https://jp.finalfantasyxiv.com/dawntrail/