『JUST CAUSE 4』南米にある架空の大国「ソリス」に住む人々の生活を観察してみた
2020.11.06
広大なオープンワールドを駆け巡り、さまざまな武器とグラップリングを使って大暴れする人気アクションアドベンチャーゲーム「ジャストコーズ」シリーズ。2018年に発売された最新作『Just Cause 4』は、南米にある架空の大国「ソリス」を舞台に、CIAに所属するリコ・ロドリゲスが、よりパワーアップしたド派手アクションをひっさげ、独裁者エスピノーサと対峙するという内容だ。
▲派手な銃撃戦もウリだが、パラシュートやウィングスーツでオープンワールドを自由にかけめぐれるのも本作の魅力の一つだ
リゾートビーチに砂漠、雪山、都市部と、地域ごとに全く異なる雰囲気の景色が楽しめるソリス。観光地として非常に魅力的な国に見えるが、至るところに、政府お抱えの軍事組織「ブラックハンド」がはびこっており、武力で支配する様はまさに独裁国家そのものだ。
▲独裁国家から市民を解放するため、敵の基地を火の海にするのもいとわない
そんな圧倒的武力を誇る敵に対して、どんな場所でもおかまいなく、銃弾を浴びせることができる爽快感が本作の魅力だが、忘れてはならないのは、ソリスに暮らす一般市民たちの存在だろう。
そこには、観光や資源採掘で一財を成した資本家や、独裁政権の圧政に苦しみながら慎ましく暮らす労働者、バックパックを背負いリゾートを楽しむ旅行者など、さまざまな人が日常を過ごしている。そして、時にはリコとエスピノーサの戦いに巻き込まれ、不幸に見舞われることも......本記事では、ソリスでどんな人々が暮らしているのか、その生活をのぞいてみよう。
ソリスの玄関口 唯一の国際空港「へネラル・ベニーテス空港」
リコがどのようにソリスに来たのか詳しく語られていないが、通常のルートで訪れるならば、南東部に位置する唯一の国際空港「へネラル・ベニーテス空港」を経由することだろう。
▲上空から撮影したへネラル・ベニーテス空港。飛行機の搭乗口が多いのがわかる
乗客を飛行機に乗せるためのボーディング・ブリッジをいくつも持ち、ひっきりなしに飛行機が離発着する様子から察するに、かなり人の往来があるようだ。航空券は希少かつ高価とのことだが、観光客で賑わっているのだろうか。
空港から車で移動するためか、なかなか一般市民をじっくり観察することはできないが、空港で働く人と会うことはできた。近づいてみると、残業の多さを嘆きつつ、携帯電話の端末代を支払うために真面目に仕事に取り組む従業員の会話が聞こえる。
一度は行ってみたい? リゾートビーチで優雅な生活ができる「ウミニャ」
ソリス北部にあるウミニャは「ヴィラヌエヴァ」と呼ばれる都市を中心に、マリンリゾートで潤う地域だ。
メキシコの「死者の日」に使われそうなカラフルなガイコツのモニュメントが置かれたビーチでは、ビーチパラソルのもと昼寝をしている男性の姿が。また、近くにはモーターボートやクルーザー、ヨットが停泊されているマリーナも。
ここに訪れている人は皆、豊かで余裕がある人ばかりだ。ラテンのノリが似合うビーチの素晴らしさに、リコも癒やされたのではないだろうか。
砂漠が広がる厳しい環境も、実は石油採掘で潤う「ラデラス・ロハス」
北部のウミニャ地方とはうってかわって砂漠が広がる西部。ラデラス・ロハス地方の「サン・マルコ」という町に訪れると、先ほどとは全然異なる人々の暮らしがうかがえる。
路面に絵を置き販売する絵描きや、音楽に合わせて踊る人々。これはこれでラテンのイメージにぴったりと思うのは偏見だろうか......
▲近隣住民のほとんどが働いていると思われる石油採掘場「ミナ・ロカネグラ」
厳しい乾燥地帯に身を置いているので、さぞ貧しい暮らしをしていると思いきや、19世紀中頃に石油採掘場「ミナ・ロカネグラ」が発見され、意外にも悪くない給料を得ている人も多いらしい。
観光客の多いウミニャとはまた違う雰囲気だが、こちらの人々もどことなく楽しそうだ。
激しいブリザードに見舞われる雪山地帯「ピコス・ネヴァドス」
南米と聞くと、文字面からか暖かな南国のイメージがするが、ソリスの中央部はブリザードが吹き荒れる雪山地帯となっている。他の地域とは違い、町はほとんどないが、それでも厳しい環境で暮らす人々はいる。
ピコス・ネヴァドスの北部にある「カサ・アプ」は、標高が高く、特にブリザードの被害が強い町らしい。ひっきりなしに雪が降り注ぎ、対策としてフードを被っている人も多い。寒さからか足早に走る人々が多いのも、生活を送るのに大変な地域であることがわかる。
そして、ゴミ置き場にはなぜか戦車が捨てられているではないか。「なにもこんな寒いところで暮らさなくても......」と思いつつ、民衆が戦った結果、ここで暮らす権利を勝ち取ったのだろうか。
高層ビルが立ち並ぶソリスの首都「ディストリト・カピタル」
高層ビルが並び、大企業の経営者や重役、ホワイトカラーの労働者が多く住むソリスの首都「ディストリト・カピタル」。ビジネスパーソンのほかには、公園を歩く人々やビルの屋上で酒をたしなむ人などがおり、活気づいている。
一方で、アルパカや鹿など自然の中で動物たちも見られ、完全に発展している都市というより途上国っぽさを残しているのが特徴だ。
▲街の象徴のように建てられているマグニフィカンテス・スタジアムは試合がないせいか、がらんとしていた
一見平和そうだが、いつ戦闘が起きてもおかしくない「ブラックハンド」と「カオスアーミー」の対立
▲2つの組織の間でいきなり戦闘が始まり、一般市民の日常を脅かしている
一見、平和そうなソリスだが、政府が抱える軍事組織「ブラックハンド」と、それに対抗するレジスタンス組織「カオスアーミー」との対立は激しく、時には民衆の生活を脅かすほど緊張が高まっている。
▲銃を構えるブラックハンドの隊員と逃げ惑う市民たち。早く助けねば......!
リコが発砲するなど戦闘態勢を取ったときは当然のごとくブラックハンドの部隊がかけつけるが、リコが街に訪れただけでいつの間にか戦闘が始まっていることも。いきなりヘリコプターから一斉掃射が始まった際には、一般人は必死に逃げるしかない......
実際プレイしてみると、ミッションをこなすために、街なかで戦闘することも少なくない。一般市民にいくら被害がおよんでも、ゲーム的にペナルティーがあるわけではないが、たまには一般市民の安全を考えてプレイしてみるのはいかがだろうか。独裁政権から市民を解放するために行っていることが、市民を危険にさらしているのかもしれないのだ。
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文:杉山大祐 編集:ノオト
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