『冒険家エリオットの千年物語』開発インタビュー

先日発表された新作アクションRPG『冒険家エリオットの千年物語』について、コンセプト・企画を務めた浅野智也とプロデューサーの松下直史にインタビューを行いました。

『冒険家エリオットの千年物語』とは？

『冒険家エリオットの千年物語』は、引き込まれるストーリーや愛らしいキャラクター、HD-2Dの美しいビジュアルをお楽しみいただけるスクウェア・エニックスの新作アクションRPGです。
バトルはシンプルな操作でありながらしっかりとした手応えが感じられ、フィールドにはレアアイテムや隠しダンジョンなどの探索要素が散りばめられています。

先行体験版（Nintendo Switch 2で配信中）は、もうお楽しみいただけましたか？先行体験版でも本作の魅力の一部をお楽しみいただけますので、まだ試していない！という方は、ぜひダウンロードしてみてくださいね。

本作について、コンセプト・企画を務めた浅野智也とプロデューサーの松下直史にインタビューを行いました。
発売に向けて、ぜひこのインタビュー記事を通して本作の魅力を知っていただければと思います。

※本インタビューは、海外向けに公開されたものを元に構成しています。Click here for the English version.

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

『冒険家エリオットの千年物語』とはどのような作品ですか？

浅野智也（コンセプト・企画）：間合いと立ち回りが大事な、シンプルでいて遊びごたえのある、HD-2Dシリーズ初のアクションRPGです。
ゲームシステムはシンプルかつスタンダードでありながら、バディである妖精の存在がちょっとしたアクセントになっています。

ビジュアルはHD-2Dシリーズ最新作に相応しい美しさで、もちろん物語にもこれまでの作品同様に力を入れています。
とりわけ「物語」にフォーカスすると、「時間」を題材にするのも初挑戦ですね。

本作は浅野チームにとって初のアクションRPGということですが、このジャンルに挑戦しようと思ったきっかけはありますか？

浅野：HD-2Dシリーズは、ジャンルをちょっとずつ変えながら展開を広げています。
クラシックなRPGの『オクトパストラベラー』から始まり、『トライアングルストラテジー』でタクティクスを。では、その次は？ということでアクションRPGに挑戦することに決めました。

これまでの私たちのゲーム（『ブレイブリーデフォルト』『オクトパストラベラー』『トライアングルストラテジー』など）を楽しんで下さった方にはもちろん、さらに沢山のゲームファンの皆さんに届いたら嬉しいですね。

主人公エリオットのデザインをするうえで、何かインスピレーションを受けたものはありましたか？

浅野：デザインは、私たちのチームではお馴染みの生島直樹（キャラクターデザイン）が担当しています。
この世界における冒険家として、「地に足がついている感じ」と「主人公らしさ」のバランスを意識してデザインしてもらいました。
完成したエリオットの姿は、「自然さ」と「華やかさ」がバランスよく仕上がったと思います。

『オクトパストラベラー1』と『オクトパストラベラー2』は主人公８人、『ブレイブリーデフォルト2』は４人、『トライアングルストラテジー』は群像劇ということで、主人公が１名という作品は、私たちにとっても初挑戦だったので、かなり気を遣いました。

ピクセルアーティストの森本志津佳によるキャラドットはとても愛らしく、開発チームとしてもエリオットにはすでに強い愛着を持っています。
世界中のゲームファンのみなさんにも愛される存在になると嬉しいです...！

本作ではHD-2Dグラフィックのどこに特に力を入れましたか？

松下直史（プロデューサー）：プレイヤーの分身であるエリオットや、対峙する敵のドットには特に力をいれています。
アクションゲームなので、武器の種類や敵のモーション含めてプレイが楽しくなるよう、豊かな表現を目指しました。

従来のHD-2Dにはなかったカメラアングルですが、課題はありましたか？

松下：本作は基本的には見下ろしのカメラで固定していますが、HD-2Dの良さをさらに引き出すために検討を重ねた結果、フィールドには奥行きが波打つようなドラムロール表現を取り入れました。
結果として、今までのHD-2Dシリーズとはまた違うフィールドの魅力が引き出せたかなと思います。

浅野チームは『BRAVELY DEFAULT』や『OCTOPATH TRAVELER』シリーズなど、数多くの作品で知られています。『冒険家エリオットの千年物語』では、それらの作品から受けたインスピレーションやヒントはありましたか？

松下：そうですね、これまでの作品があったからこその本作です。
バディ物にしよう、となったとき相棒になってほしい存在は？ですぐに妖精に決まりましたし。

また開発会社のクレイテックワークスさんも、『ブレイブリーデフォルト2』から引き続き開発を担当頂いています。
『ブレイブリーデフォルト2』での草刈りが私たちの想定以上に反響が良かったことを受け、今作でも草刈りはできるようにしようね、となりました。

私たちのチームのスローガンは「ファンの期待に応える」ですので、過去作は常に意識し、それを超える作品を作れるようにと開発を進めています。
期待に応えられる作品となるよう頑張りますので、ぜひ応援の程、よろしくお願い致します！

本作はバトルにも力を入れていると思いますが、剣の斬撃や弓矢の射撃の動作がとてもリアルだと感じました。どのように実現させましたか？

松下：主人公のドットや動きに関しては開発初期段階からかなりテストを重ねた結果、満足のいく仕上がりになったかなと思います。

エリオットを作る前にテストモデルを作って、武器の種類を早めに決めた上でその動きをテストしていきましたね。
ジャンプひとつを取っても、かなりの時間をかけて調整を行いました。

エリオットは最大で7種類の武器を使うことができますが、ゲームプレイではどのような使い方がありますか？

松下： 近接武器だけではなく、敵によって遠距離から攻撃できる弓に切り替えたり、あまり動かない敵であれば大きなダメージを与えられる爆弾を使ってみたりすることができます。
どの武器がその場の状況に最も適しているか、ぜひ自分なりの戦術を考えながら遊んでもらえたらと思います。

また、一部の武器でしか切り開けない道なども用意しているので、そこをきっかけにその武器に慣れていく...といった事もあるかもしれません。

先行体験版では、妖精のフェイは「ワープ」と「シッソー」の2つの能力を使うことができます。これらはどのようなアイディアから生まれたのですか？

松下：妖精をバディにする事を決めて以来、どんな能力を持たせると楽しいのか、またその種類は？数は？というところから詰めていきましたね。
「ワープ」と「シッソー」は、特に早い段階から決めていました。

「ワープ」は主人公の位置を妖精の位置に移動させるという能力ですが、これは色々な場面で活用できそうだという直感がありました。
「シッソー」に関しては、広いフィールドになる事が想定されていたので、通常のダッシュよりも早い移動手段がほしいよね、という発想からですね。

本作では「魔石」というアイテムを入手できますが、これを使うとどんな効果があるのでしょうか？

松下：「魔石」は魔石の欠片を集めて、魔石屋で生成してもらうと入手できるアイテムです。
それぞれ武器に紐づいた能力をもっており、それらをセットすることで効果を発揮します。

今回の先行体験版では、それらを自由に組み合わせて、お好きな武器に効果を付与できる様にしています。
"魔石セット"に入れた分だけ効果を発揮するので、コスト上限まで入れられるだけ入れておくとお得ですね。

魔石セットは切り替えられる様になっているので、お気に入りの武器の組み合わせの数だけ用意しておくなど、いくつか作っておくと便利かもしれません。

かなり自由度が高いのですね。

松下：魔石の効果には、武器の基礎的な能力を向上するものもあれば、アクションが変化するものもあるので、どれを選ぶかでプレイヤーの個性が出ると思います。
組み合わせ次第で、思わぬ嬉しい効果を感じられる事もあるかもしれませんね。

浅野チームは過去にもユーザーアンケートを実施していますが、プレイヤーのフィードバックはどのように活用されますか？

松下：『オクトパストラベラー』や『トライアングルストラテジー』等の浅野チームタイトルと同じく、本作でも先行体験版に対するアンケートを行っています。

もちろん楽しい作品をお届けすることを第一に開発を行っていますが、時々私たちが想定していないような思わぬ意見をいただける事もあり、開発において非常に参考になります。
なので忖度なく、率直な意見をいただけたら大変助かります。

今回の先行体験版ではプレイの動向を把握させてもらう目的で、オンライン対応をしています。
どの辺りでつまずいているか？敵と戦ってもらえているか？などを、オンラインで遊んでいただくことで開発チームが把握できる仕組みです。
チーム初のアクションRPGということもあり、環境が合う方にはぜひお試し頂けたらと思います。
なお、ゲームで遊べる要素としてのオンライン要素は用意しておりませんのでご承知おきください。

Switch 2 をお持ちのみなさんに、ぜひ先行体験版を試していただきたいです！

最後に、プレイヤーの皆さんへのメッセージをお願いします！

松下：浅野チームのファンの皆様には、アクションというジャンルへの私たちの初挑戦がどのようなものなのか、今回の先行体験版でぜひ体験いただき、見届けてもらえたらと願っています。
スクエニやRPGのファンの方には、アクション「RPG」としての側面も届くよう、しっかり世界観やシナリオも作りこんであります。

カメラアングルは基本固定にしているので、アクションではありながら自分を見失うことなく、落ち着いてプレイいただけます。
妖精のフェイの操作はローカルマルチプレイに対応しており、ご家族や友達と一緒にお楽しみいただけるのも特徴のひとつです。
アクションゲームは苦手という方もご安心ください。本作では妖精さんにお金を払えばその場で蘇生してくれるので、困ったらお金で解決！という手段もあります！

壮大な千年の世界を巡る冒険を、幅広い層の方に楽しんでもらえる様尽力していますので、ぜひご期待ください！

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

『冒険家エリオットの千年物語』は、Switch 2、PS5、Xbox Series X|S、PC (Steam、Microsoft Store) 向けに2026年に発売予定です。

Nintendo Switch 2 向けの先行体験版がただいま配信中です！ぜひお楽しみいただき、アンケートでご感想をお聞かせください。

◆先行体験版：https://sqex.to/3MGae

◆プレイ後アンケート：https://sqex.to/JheiQ

◆公式サイト：https://sqex.to/XKauZ