
2023.03.29
【開発ブログVol.10】譜面について(テクニカル編)

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渡部 直絵(スコアエディター/sAs)
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好きなFF:2、8、10、12、14、15(絞れませんでした...)
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好きなFF楽曲:FF2 メインテーマ、FF8 Eyes On Me、FF10-2 久遠~光と波の記憶~、FF14 ロングフォール ~異界遺構 シルクス・ツイニング~
TFBLでスコアエディターを担当いたしました、sAsの渡部直絵と申します。
初代シアトリズムの頃からインディーズゼロさんと協力して開発に携わり、主に譜面作成などを行ってまいりました。
今回は究極、超絶難易度の譜面について、私個人の視点からお話をさせていただきたいと思います。
拙くはありますが、よろしければお付き合いください。
- はじめの思い出
FF2「戦闘シーン2」が、シアトリズムシリーズではじめて作った譜面でした。
楽曲終盤の3連符、当時はあれを全部タッチ入力するのも難しく、スクエニさんの前でデモを披露したとき「そんなのできるの!?」と非常に驚かれたことを覚えています。
リズムゲームを遊んだことはあれど作ったことはなかった私が、『譜面』というもののコツのひとつをつかんだのがこの時だったかもしれません。
この先いくつも譜面を担当していくことになるのですが、最初のひとつということで印象深く思い出のある楽曲です。
- 譜面のつくりかた
基本・熟練編でもご紹介させていただきましたが、ここでは少し踏み込んで『遊びごたえを出すためにどういったアプローチをするか』ということをメインにお話したいと思います。
いくつか楽曲の傾向ごとに例を挙げてみました。
① 4つ打ちのドラムとメインメロディが際立つような楽曲
メロディを叩かせながら4つ打ちタッチを置く、といった配置にするとテンポよくノリながら気持ちいいメロディを叩けるので、高難易度譜面では使われることが多いパターンです。
右手と左手で異なるリズムを刻むことになるので、基本~熟練ではなかったボタンの打ち分けなど操作難易度が上がって難しい配置です。
FF8「Shuffle or Boogie」(究極)、LRFF13「魂の解放者」(超絶)、FF14「ロングフォール ~異界遺構 シルクス・ツイニング~」(超絶) あたりがわかりやすいかと思いますので、ぜひ遊んでみてください!
② 変拍子や音が細かく目立つような楽曲
ただメロディの通りにトリガーを配置するだけで十分難しくなるので、比較的サクサク作れます。
タッチのみでも十分難しくなることは多いですが、そのうえで『気持ちよく叩く』ために音が上がる場合に上スライド(↑)、下がる場合に下スライド(↓)など、スライドの方向で音の高低を意識できるような配置を加えることでより楽曲との一体感が出すことを心掛けました。
こちらはFF4「ゴルベーザ四天王」(究極)、FF6「妖星乱舞」(究極)、FFUSA「運命の丘」(超絶)といった楽曲がわかりやすいでしょうか。
③ アクセントは盛り盛りで
例えば譜面のラストではダブルタッチやツインスライドなど、バーン! と『終わった!』ということがわかるような操作をさせることで達成感を出すような配置をするのですが、楽曲の途中でも『ココ!』という箇所は同じようにトリガーを盛ります。
4つ同時押しといった盛った配置がうまく操作でき、そしてそれが楽曲のアクセントと重なると達成感もマシマシでやりごたえが出てきます。やりすぎるとずっと難しいだけになってしまうので、塩梅を考える必要はありますが...。
FF14「メタル:ブルートジャスティスモード ~機工城アレキサンダー:律動編~」(超絶)で合間に入ってくるブラスのメロディはまさに「ここはこう!」というリズムなので、そこをしっかりゴキゲンに叩いていただくと楽しくなっていただけるかなと!
総合すると、『楽曲から譜面を削り出す』という意識で作るとうまくいく、が私の持論です。
- 個人的なオススメ譜面
♪ FF15「Valse di Fantastica」
新しい譜面を作るときは楽曲を通勤中にエンドレスリピートして聴き込むのですが、オクターブで上がっていくメロディの優雅さが非常に印象的でここを活かさない手はない...! という思いが強くありました。
このピアノをダブルタッチで上げていく配置がしたい...! と妄想が膨らみ、1時間くらいでざっくり作り上げるところまですばやく作れたことに、我ながらテンションが上がった思い出の楽曲です。
このオクターブを華麗に弾きこなす楽しさをぜひ感じていただければ...!
♪ FF8「Force Your Way」
初代シアトリズムの究極難易度で一番難しい...!? と言われていた譜面です。
シンセのメロディに合わせてスライド・タッチ・タッチ、という配置をするだけであれだけの難易度になったということもあり、「楽曲から譜面が削り出されてくる」ということを最初に気づかせてくれました。
もちろん初代の頃に比べて超絶譜面が増えたオールスターカーニバル(AC)、そして今作ファイナルバーラインでは、究極難易度からさらにトリガーを盛っていくやり方をいろいろと考える必要があり悩ましくもありましたが、経験の積み重ねで仕上がっていった譜面だな...と思いもひとしおです。
スライドとタッチをテンポよく続けて入力する操作ができるようになると、超絶に挑む地力がついてくる。高難易度譜面に挑戦していきたいプレイヤーさんはぜひプレイしてみてください!
♪ FF10「雷平原」
今作で超絶譜面を追加しました。
雷平原といえば200回雷を避けるミニゲームでおなじみですが、私も御多分に漏れずアルテマウェポンのためにかなり頑張った思い出の楽曲です。
譜面を作るにあたり改めて楽曲を聴き込んでいたところ、針の音にタイミングを乱されて被弾する...なんて苦い経験も思い起こされたりしましたが、浜渦さんの楽曲は透き通った美しさが印象的でいくらでも聴けるな...と改めて感慨にふけるなどしました。
非常にピアノのリズムがわかりやすい楽曲なので、それを譜面で表現できるとすごく良いのでは!? という妄想から今作の超絶譜面を作成したのですが、かなりイメージ通りになったかなと。
また針の音に合わせて上下にうつりかわる配置を思いついてやってみたのですが、仕上がりとしてかなりエモさを感じられる譜面になったのではと自負しております。
スタッフ内でも評判が良かったということもあり、個人的にはかなりおススメです。
カチコチという針の音に耳を澄ませて遊んでみてください!
- おわりに
シアトリズムシリーズ最大の楽曲数、開発スタッフですべて丹精込めて作り上げました。
お気に入りの譜面を見つけていただいて、長くお楽しみいただければそれ以上の喜びはありません...!
次回のブログはリズムアクション中の背景についてご紹介予定です!
よろしくどうぞ!





