
2023.04.12
【開発ブログVol.12】メニュー用のアレンジ楽曲

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高橋 祐一郎(プランナー/indieszero)
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好きなFF:FF5(初めて遊んだFFが5でした)
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好きなFF楽曲:FF5 光を求めて(ラストダンジョンにふさわしい勇ましい曲調が刺さります)
こんにちは!
インディーズゼロのプランナーの高橋です。
今作ではサウンドプランナーとしてサウンド全般のプランニングや、譜面データの作成を担当しました。
今回はメニューで使用しているアレンジ楽曲についてお話できればと思います!
今作でのメニュー楽曲のアレンジはスクエニのサウンド部さんにお願いさせていただき、シアトリズムシリーズで初代からずっとご一緒しているサウンド部の河盛さんに全面的にご協力いただきました。
前半は私から、どのようにオーダーさせていただいたか、後半は河盛さんとアレンジャーの小見山さんからアレンジを進める過程やこだわりのポイントなどをご紹介できればと思います。
楽曲のアレンジをお願いするために、いわゆる発注資料というものを作成します。
ここではパーティ編成を例にしてみます。
まずはアレンジ元となる楽曲を決めるわけですが、実は初代もカーテンコールも、パーティ編成の楽曲はFF6のものを使用していました。これは狙ったわけではなくたまたまだったのですが、今作でもそれを踏襲したほうがシリーズとしての連続性も生まれると思ったので、検討メンバーはFF6縛りで楽曲を検討しました。
そして「幻獣を守れ!」をアレンジ元にしようと決まったので、次はその曲をどのようにアレンジしていただくのか考えます。これはその画面の役割や機能などから決めていくことになります。
パーティ編成はじっくり考えて様々なものをセッティングするシーンなので、原曲よりもテンポは下げて忙しい感じが出ないようにし、また編成をするということでタクティカルな勇ましい雰囲気が出るように、といった形でアレンジの方針希望をまとめました。
こんな感じでそれぞれの画面に合ったアレンジになるように方針を出しています。
実際に制作いただいたアレンジがこちらです!
さて、それでは実際の楽曲のアレンジについて、今度はスクエニサウンド部の河盛さんと、アレンジャーの小見山さんから、語っていただこうと思います!
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河盛 慶次(スクウェア・エニックス/サウンド部)
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好きなFF:FF7 REMAKE(一番最近で開発に関わったタイトルを選びました)
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好きなFF楽曲:FF12 自由への闘い(この頃は内蔵音源で鳴らしていたので、容量的に鳴らすのに苦労した思い出が...)
スクウェア・エニックス サウンド部でミュージックディレクターの仕事をしています。
普段からFINAL FANTASY関連のタイトルでアレンジに関わる事が多く、シアトリズムの開発で昔の楽曲を聴くと開発した時の思い出が蘇り、懐かしい気分になります。
●こだわったポイント
FINAL FANTASYの音楽を大事にしてくれて、アレンジのスキルも高い作曲家を考えた時に小見山さんが思い浮かび、アレンジをお願いさせて頂きました。この選択がこだわったポイントになります。
●アレンジした中でお気に入りの楽曲
オープニングのノリノリな感じがこのゲーム全体の楽しい雰囲気とマッチしていてお気に入りです。
このタイトル自体、FINAL FANTASYの音楽愛に溢れたタイトルですが、そこに輪をかけ、小見山さんの楽曲への思い入れが存分に発揮されているアレンジが入り、皆様にもきっと満足して喜んで頂けるゲームになっているかと思います。是非、楽しんで下さい。
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小見山 優子(comymusic)
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好きなFF:FF4(初めて遊んだFFであり、ゲーム音楽の素晴らしさを知った作品でもあります)
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好きなFF楽曲:FF6 ロックのテーマ(最近よく鼻歌で歌っているのがこの曲です)
今回新曲のアレンジを担当しました作編曲家の小見山と申します。
私は初めてプレイしたFF4でゲーム音楽に魅了されたのがきっかけでこの業界を目指したのですが、ご縁があってシアトリズムの音楽アレンジを担当させていただくことになりました。自分がまさかファイナルファンタジーという冠作品に携わるなんて...未だ不思議な気持ちです。
今回は、詳細な音楽イメージ資料を頂いていたので、迷うことなく制作できました。FFやその他のスクウェア・エニックスの名曲に「楽しく」触れるというコンセプトを感じましたので、資料をもとに楽しく制作できました。
名曲はいろんなアレンジをしても曲の良さがしっかり残されるので方向性は多様だなと、いつも悩んでしまいます。制作はメニュー画面、マルチバトル、リザルトなどのメニュー用の音楽が主だったので、みなさんが頭を使っている際のお邪魔にならないようにも気をつけました。
●こだわったポイント
私の感じる「FFの曲は昔から豪華だ!」を盛り込めたかなぁと思ってます。当時のハードスペックから考えてもかなりハイクオリティな音質だったFCやSFCタイトル...最近ではオーケストラの迫力あるスケール感、繊細な美しさ...そしてFF1から変わらない美しいメロディ...。そんな歴代のFF音楽を素敵にアレンジするため、一部生楽器を使った楽曲があります!レコーディングは1日半に及び、ベース、ギター、ピアノ、ジャズオルガン、ドラム、ストリングス、金管、木管、パーカッション、コーラス...ほぼ全部です(笑)。レコーディングスタッフの皆さんのおかげで最高のものになりました。
●アレンジした中でお気に入りの楽曲
お気に入りはオープニングムービーの曲でしょうか。オーケストラのイメージが多いFF曲の中で、シアトリズムだからこそできたジャンルのアレンジです。ちなみにこちらは全部生楽器録音です!演奏者さん達がノリノリで演奏してくださいましたので、皆さんゲームを立ち上げたら是非聴いてくださいね!!
もう一つは「THEATRHYTHM FINAL BAR LINE Special Battle Arrange Medley」です!この曲は楽譜も難しく演奏者の皆さんを泣かせてしまいましたが、演奏者さんたちも原曲を知っており、完成形がわかるだけに「頑張りたい!」と、たくさんテイクやアイデアをくださりました!作っている本人も演奏してくださる方も「懐かしい〜」「楽しい〜」と自然と言葉になって、万人が最後まで楽しく関われた曲だと思います。ちなみにこの曲の制作中の私の心臓のBPMは180ぐらいでした。アドレナリンが止まりませんでした。
皆さんのシアトリズムタイムが、音楽により少しでも楽しく豊かな時間になれば私にとっては大成功です。皆さんでガンガンリズム打っていきましょうね!!
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河盛さん、小見山さん、ありがとうございました!
再びインディーズゼロの高橋です。
どれも本当に素晴らしいアレンジを制作いただけましたので、ぜひメニュー曲にも耳を傾けてみてください!
ちなみに私はミュージアムで流れるFF15「Valse di Fantastica」のアレンジや、キャラクターの誕生日にケーキの演出と共に流れる「ハッピーバースデイ勝利のファンファーレ」がお気に入りです!
それでは今回はこのあたりで!





