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REPORT錬⾦ゼミ活動レポート

[第3章] 3-14

ゴリーニ湖再び

担当:スティール・フランクリン

一旦ブラスの街へ立ち寄り、最低限の旅の準備だけして俺たちはゴリーニ湖へと急いだ。

  ***

なかなかの強行軍ではあったものの、平常よりも1日ほど早くゴリーニ村に到着できた。
湖水も元通りになり、村の大人衆と船団を組んで湖賊のアジトへ乗り込もうかと息巻いていると、ゴリーニ湖賊が攻め入ってきたという急報が寄せられる。

こちらが舟を使えるということは、向うも襲撃してこれるということ...このタイミングで村に到着できたのはまさに天祐といったところだろう。

湖賊なんざぁ、返り討ちにしてくれん!!
銛やこん棒を手に取った村人たちとともに、湖賊が上陸したという現場に到着してみると、そこには、デバコフ教授の姿があった...!!

  ***

ゴリーニ村長と対峙する3人...デバコフ教授と村長の娘、そして、目つきの鋭い若者がひとり...。

(おい、村長の娘はさらわれたんじゃねぇのかよ)
(あの若者、ゴリーニ湖賊なんだとよ...)
村人たちが聞き耳を立てる中、デバコフ教授がことの顛末を語り始めた。

  ***

「はぁ~~? 駆け落ちだっただとぉ~?」
俺の作法知らずな叫び声をたしなめる者は誰もいない。
その場にいる者...庭先で聞き耳を立てている者も含めてみな、同じような反応だったからだ。

目つきの鋭い若者は、静かに語りだす。
若者と村長の娘は、2年ほど前の月夜、ゴリーニ湖畔で偶然出会い、一瞬で恋に落ちたのだという...。

湖水が濁り始めた日も、いつものように2人は湖畔で逢瀬を重ねていた。
湖上で生活する若者には、湖水の異変は肌で感じられ「次にいつ逢えるかわからない」そう言って舟に乗った。
村長の娘はいてもたってもいられなくなり、若者の舟に自分から乗り込んでいったというのだ。

「...して? 今日は、どのようなご用向きで拙宅へ...?」
乱暴になるのを必死に我慢したような村長の声が、広間に響く...。

(んなもん決まってンだろうがよ)
想いをひとつにしたギャラリーの耳目は、村長の視線の先...若者に集中する。
村長の鋭い眼光に臆することなく若者は姿勢を正す。

「村長、いや、お義父上」

「お、お前にお義父上といわれる筋合いは...、す、筋合いは...」
(この時点で村長の目は泳ぎ敗色濃厚)

「娘さんを、我が妻に迎えることをお許しください!!」
(ここで村長はがっくりとうなだれる)

そこに、とても見ていられないとばかりにデバコフ教授が助け舟を出す。
ゴリーニ湖賊とは、グラネ島を拠点とした湖上交易船団で、時として腕力で物事を解決することもあるので、主に負けた側から湖賊などと揶揄されているだけで、噂されているような残忍非道な集団ではないこと。
多少喧嘩っ早いところもあるが、早とちりなこの村の人たちとの相性も決して悪いものではないだろうと、優しく説諭する。

「父上、私、もう決めたの。この人が見る景色を、私も見たいの!」
この場にいる中で一番早とちりな娘のこの言葉が、決定打となった。

「う、ううぅ...。娘を、ぶずべを、ぼでがいいだじばず...」
娘の父親としての(さほど堅牢でもなかった)砦は、ここに陥落した...。
聞き耳を立てているギャラリーも含め、村長以外の全員がふ~っと安堵の息を吐いた。

そこに、凶報が寄せられる!!
湖畔に見たこともない化け物が現れたといい、そこは何日か前の晩、光の球が出現した場所だという...。

俺たちは、現場に急行した。