令和4(2022)年、春。
ミステリ小説家の河々見(かがみ)はるかは、
科学者の四十間(しじま)永司の依頼を受け、
編集者の山瀬明里とともに、
富士山麓にある永司の実家、四十間邸を訪れる。
永司の依頼は、桜の下で見つかった
白骨死体の
正体究明と、
四十間邸に眠ると言われる“不老の果実”の捜索。
大真面目に語る永司と、半信半疑のはるか。
そんなはるかに明里が一冊の古書を差し出す。
そこに掲載されていたのは永司の先祖、
四十間佳乃が書いた
“不老の果実”をめぐる、
百年前のある物語。
それは小説の体裁をとった、
実際に起こった殺人事件だという。
古書を読み終え、事件の謎を解き明かしたのも束の間。
はるかの目の前で四十間家を揺るがす
殺人事件が起きた…