DISSIDIA FINAL FANTASY OPERA OMNIA

DISSIDIA FINAL FANTASY OPERA OMNIA メインシナリオ~幕間~

  • 光の戦士編一「過去と現在の記憶」
  • 光の戦士編二「同質の存在」
  • 光の戦士編三「混沌の化身」
  • 物質の神編「憂鬱な女神」
  • 精神の神編「後悔の神」
  • オニオンナイトの称号を持つ少年編一「悠久の記憶」
  • オニオンナイトの称号を持つ少年編二「光の戦士」

オニオンナイトの称号を持つ少年編二

「光の戦士」

 デッシュは首をかしげていた。
 闇のクリスタルコアがエネルギーを放った後、オニオンナイトの称号を持つ少年と再会してから、何やら様子がおかしいからだ。

 この安息の大地とやら、いまは「新世界」というらしいこの世界では、強靭な意志の光が力を持つという。
 だとすれば、この少年こそがリーダー、他の戦士たちを導く光になるはずだ。
 自分は彼を支えてやればいい。デッシュはそう思っている。

 その彼が、どこか恐る恐る尋ねた言葉に、デッシュはさらに首をかしげた。

「ねえ、デッシュ。君は、僕が昔どこか遠い世界で戦ったことがあるって言ったら、信じる?」

「この世界に来る前にか? 故郷を飛び出して、また冒険でもしてきたのか」

 このやんちゃな少年のことだ。デッシュを差し置いて、どこかへ冒険に出かけていてもおかしくない。そう思って答えたのに、返事をする彼は何やら遠くを見ていた。

「……やっぱり、なんでもない」

「なんでもなかったら聞かないだろ? 何かあったな」

「僕は……ここに来るまでの間、夢……みたいなものを見ていたんだ。そこで僕は今とは全く違う世界で、でも違う世界から集まった仲間と一緒に戦っていたんだよ。こんな話、おかしいだろ」

「そうだな、荒唐無稽だが……ウソだって決めつけやしないぜ。おまえさんには何か確信があって言ってるんだろ」

「デッシュは優しいな」

「それだけか? 続きはないのかよ」

「今は、それよりやるべきことがあるから」

 一瞬、うつむいていた、その憂いの表情を無理やり剥がすように、少年は真っ直ぐに前を見た。

「僕は『光の戦士』として、やるべきことをするよ」

「つきあうぜ。『パートナー』だろ」

「心強いよ」

 それは、嘘偽りのない本心のように思われた。

 どうやら、少年は記憶について何か迷いがあるらしい。そういえば、「暗闇の雲」も何か惑わすようなことを言っていたか。
 ならば、それを支えられるのは、冒険を共にし、同じ思い出を共有するデッシュのほかにいないだろう。
 彼の「成すべきこと」に、どこまでもついて行こう、支えてやろう、と、デッシュは決意を新たにするのだった。

前の話を読む

PAGE TOP