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開発ブログ

2022.01.07

開発ブログ vol.003 ディレクター 古川 慶二

みなさん、こんにちは。本日は『ブレイブリーデフォルト ブリリアントライツ』(『BDBL』)開発ブログ第3回をお届けして参ります。

本ブログでは、普段あまりお見せすることができない開発チームの制作コンセプトやデザイン意図、非公開資料や開発中のエピソードをご紹介できればと思っております。

開発ブログ第3回の今回は「バトル」「システム」に焦点を当て、本作のバトルバランスやシステム設計などをつとめるディレクターの古川氏にお話を伺いました。『BDBL』のバトルやシステム、そしてクローズドβテストでのプレイヤーの方々の反応への感想、サービス開始後のUIやバトルバランスの設計についての考え方を中心にお届けします。

■「ブレイブ&デフォルト」システムをスマホゲーム用に最適化して初採用

――まず、古川さんは『BDBL』の開発において、どの部分を担当されているのでしょうか。

古川:
ゲームのバトル、システム面の全体的な部分の設定を担当しています。どういう機能を作ろうといった細かなところから、ユーザーの方々にどのような流れでプレイしてもらおうかなど、『BDBL』の全体の設計を管理しています。

――ゲーム内容に関してはお聞きすればすべてを知っている......という感じでしょうか。「ブレイブリー」シリーズをいま改めてスマホゲームで展開するにあたって、システム面で気をつけた点を教えて下さい。

古川:
「ブレイブリー」シリーズは2012年からスタートしている歴史あるシリーズです。弊社の大事なIPですので、このシリーズに抱いているファンの方々との認識が乖離しないことを重点的に考えてシステムを構築しています。シリーズを銘打っている以上、開発チームはもちろん、シリーズファンの方々が抱いているイメージにも違和感を抱かれないことが必須事項と考えました。

やはりそれには本シリーズ最大の特徴のひとつである「ブレイブ&デフォルト」システムをどう搭載するかをもっとも重要視して取り組んでいます。

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――「ブレイブ&デフォルト」を使ったバトルがシリーズの醍醐味ですよね。

古川:
その一番大事な特徴をスマホゲームでも提供できるようにしっかりと構築しました。また、シリーズをプレイしたことがない方にも、この「ブレイブ&デフォルト」というシステムによってバトルの奥深さを楽しく体験していただくことも重要視しています。

―スマホゲームに「ブレイブ&デフォルト」システムを最適化させることにあたり、とくに意識している部分はどこでしょうか。

古川:
やはりシリーズのナンバリング作品の「ブレイブ&デフォルト」システムを体験してもらう点において、これまでのシリーズ作品ともっとも異なるのはコントローラーの有無です。このコントローラー操作のテンポ感をどうやってスマホゲームに落とし込み、体験していただきたい楽しさを実現していくかという部分は大変で、試行錯誤しつつ、今の形に辿り着きました。

コントローラーがタッチになってプレイしやすくなる部分はありますが、バトルでのテンポといった部分を失わせるわけにはいきません。その部分の調整に関してはかなり苦心しました。

■個性あふれるキャラクターを選んで冒険をしよう

――スマホゲームでよくあるキャラクターガチャではなく、お気に入りのキャラクターを選んで入手できる仕組みで設計した理由を教えてください。

古川:
バトルシステムとは少し離れたところになるのですが、今回はシリーズの大事なキャラクターたちに登場していただくということで、キャラクターの個性という部分にも力を入れました。レアリティに差をつけてキャラクターの強弱を作りたくないと考えていまして、ユーザーの方々にしっかりと好きなキャラクターや気になるキャラクターを使っていただきたいという環境になるように設計しています。

「キャラクター全員を活躍させたい、かつ長く育ててもらいたい」という考えが根幹にあり、個性の差の付け方、どういった特徴をもたせていくかはかなり悩みました。火属性、水属性など属性の影響を高く持つ敵にあわせたパーティを組む、といったシステムだとある程度使用キャラクターが強制されるので、それは今回の考えには合わない。攻撃範囲やダメージ、サポートなど、そのキャラクターができること、得意なことに差をつけて、個性を発揮できているはずです。

▼キャラクターそれぞれならではの「個性」を設計▼
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――バトルは「ブレイブ&デフォルト」という軸がありつつ、今作では新たに隊列システムが搭載されました。こちらもキャラクターの個性に関連しているのでしょうか。

古川:
そうです。隊列には前列と後列があります。これらはキャラクターのタイプによって決まっているものです。前列は敵からの攻撃を受けやすいといったリスクがあります。その分耐久性に優れていたり、攻撃性能が高かったりといったキャラクターが多いです。

後列に関しては攻撃される機会は前列よりも低くなっています。また、前列にキャラクターがいると受けるダメージが軽減されるなどのメリットもあります。その分、前列よりも耐久性等劣る部分はありますが、回復など戦闘の支援が行えるようなコマンドアビリティを持つキャラクターが多く配置されています。

▼隊列システムで戦略にさらなるバリエーションが生まれる▼
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――なるほど。ちなみに「ブレイブ&デフォルト」のシステムですが、さまざまな行動バリエーションが生まれる影響か、バトルに関してはバランス調整が難しいとお聞きしています。

古川:
そうですね(笑)。「ブレイブ&デフォルト」のシステムにより1ターンに最大4ターン分の行動ができるので、極端な話、4人パーティで4×4、一気に16回連続攻撃ができてしまう。それで一瞬で撃破できてしまう場合もありますし、逆にそれを耐えられる敵を作ったときに堅すぎて倒せなくなる、そういった心配もありまして(笑)。そのあたりの数値調整に関しては慎重に行っています。

――今作の育成システムの特徴、どうやって進めていけばいいかなどのアドバイスもいただけますでしょうか。

古川:
まず育成軸はさまざまなパターンをご用意しています。キャラクター、武器ともにレベルを上げていくことが一番ですが、多彩な育成軸によって、プレイヤーの方々のプレイスタイルに合わせてキャラクターや武器を育てることができますので、そこから先に関してはプレイヤーの方々にゆだねている部分があります。どのようなアビリティを解放していくか、が一つのポイントになると思います。

同じキャラクターでも育て方が異なれば役立つ範囲も変わってくるので、キャラクターだけでなくプレイヤーの個性も出せる形で育成システムは組んでいます。同じキャラクター同士のパーティ構成がバトルしたとしても、ユーザーの皆様の育成方法によってまったく異なった戦略が立てられます。

――入手したキャラクターは平均的にアップしたほうがいいのでしょうか。また、キャラクターはいっぱい入手したほうがいいのでしょうか。

古川:
ひとりのキャラクターを重点的に育てて全体攻撃4回で一気にザコを倒す、という戦法の爽快感はありますが、単体の強敵がくると辛い戦いになる可能性があるので、序盤は平均的に育てるのがいいと思います。

また、育成自体が幅広く深いので、ある程度育成が進んだ後は、お気に入りのキャラクターに絞っていただいて、育成していただいてもよいかと思います。

キャラクターをたくさん集めていただき、育てていただけると様々な戦略が組み立てられますので、このゲームの楽しさがより伝わるかと思います。

キャラクターに関してですが、「メインストーリーを最初の4人だけで進めたからといって、それではダメ」といったことはありません。主人公の4人を含めて気に入ったキャラクターを使ってお楽しみいただければと思います。

おすすめのキャラクターを聞かれることも多いのですが、ぜひ自分の好きなキャラクターを使用してくださいと強く返答しています!

■クローズドβテストからバランス、手触りなどを改善

――クローズドβテストのプレイヤーの方々の反応はいかがでしたでしょうか。アンケートでもさまざまなご意見をいただいたと伺っています。

クローズドβテストレポートはこちら

古川:
まず率直に自分たちが作り上げたものをプレイヤーの皆様に遊んでいただけるという部分で感謝したいです。その結果、アンケートでは「本リリース後もプレイしたい」と多くいただいたのは本当に嬉しかったですね。

CBTを通じて集計したプレイデータや、プレイ後アンケートでいろいろなご意見を見させていただいたところ、「ブレイブ&デフォルト」システムの使い方について、ここは自分がプレイを進めていくうえでの使い方に関しての認識に乖離があった部分で、反省をしています。敵が強すぎて思い通りに撃破できない......とくにドラゴンでしょうか。そういった部分はありました。

今後はドラコンに進むまでにしっかりとキャラクターを育てていければ、また、バトルシステムの全体的な理解度というか、「ブレイブ&デフォルト」の遊び方をより理解して戦闘に臨めるように調整をかけていますので、撃破への感触がもう少し変わってくると思います。

そのほか、プレイヤーの皆様の反応は全部受け止めさせていただいて、大きなところから細かいところまで、かなりの数の改善を実施しています。

――プレイヤーの方々からの想定外、または意外な反応などはありましたか。

古川:
バトルやキャラクターなんかは私自身、自信を持って設計しています。その上で私が考えていた要素以外でも「このキャラクターが強い」と言われたり、活躍していたりといった反応が意外だったでしょうか。

さきほどもお伝えしたのですが、キャラクターの育成に幅があるので、完璧な「正解」というものがないと思いつつも、プレイヤーの皆様自ら導き出した「正解」の数が多いと実感できました。

また、操作感やUIに関するご意見は非常にありがたかったです。プレイヤーの皆様がストレスを抱えていた部分を認識できたので、そのご意見をもとに改善をかけることもできました。

――キャラクター育成の自由度がある意味証明された形に。

古川:
クローズドβテストでいただいたご意見やご感想を参考に、バランス面ではまるっと変わっている部分もあり、UI 面も細かく改善をかけることができました。CBT時と比べると、手触りがまったく変わっていると感じる部分もあると思います。

育成に関しても細かくストレスを感じていたであろう部分を解消しているなど、プレイ感覚もだいぶ変わっていますね。これらはプレイヤーさんからいただいたフィードバックをひとつひとつ確認し、対応できた部分でもあるのでほんとうに感謝しています。現時点では大体の改善は完了していて、あとは粗探しというか(笑)。かなり細かい部分を調整している最中です。

――バトルのAUTO機能の性能が甘かったというご意見もありましたが、リリース時には改善はされているのでしょうか。

古川:
プレイアブルキャラクター全員分に加えて、敵に関してもすべて調整を入れています。シンプルに以前よりも頭が良くなっています(笑)。安心してAUTO機能に頼って戦っても大丈夫だと思います。

ゲームとしての基盤はほぼほぼ完成したので、ここからはリリース後に長くプレイヤーの皆様に楽しんでいただくため、この先々、どういった遊び方ができるのか、先のところも含めて伸びしろを模索しています。また、もし不満等々ありましたらゲームのサポートセンターなどにご連絡ください。いただいたご意見やご感想をひとつひとつ真摯に受け止めさせていただき、『BDBL』をよりすばらしいゲームにできるように頑張っていきます。

CBT後主な改善項目はこちら

――ありがとうございます。最後にクローズドβテストを遊んでいただいたプレイヤーの方々、そして『BDBL』を期待している皆様にメッセージをお願いします。

古川:
BDBL』最大のポイントとしてはシリーズのキャラクターたちが続々と登場することです。プレイヤーの皆様がここに期待されているのはキャラクター同士の会話だったり、絡み合いだったりだと思いますが、そういったところに関しては本編のストーリー以外にもキャラクタークエストでなどさまざまな形でご提供していければと考えております。

ストーリーもかなりのボリュームを用意しているので、ぜひストーリーを楽しんでいただきながらお気に入りのキャラクターを作ってください。

――メインストーリーだけでなく、キャラクター個別のストーリーもしっかり見てくださいということですね。

古川:
はい!そして、あらためまして、クローズドβテストをプレイしていただきありがとうございました。プレイしていただいた皆様のご意見のおかげで、『BDBL』が良いコンテンツに成長したという確信があります。プレイヤーの皆様といっしょに成長していくタイトルになればと考えていますので、リリース後もご意見等ありましたら遠慮なくいただけるとありがたいです。

BDBL』では「ブレイブリー」シリーズにおいて、スマートフォン向けゲームとしてはじめて「ブレイブ&デフォルト」のシステムが搭載されています。このシステムに独自の要素が加わることによって、どれだけバトルが奥深く、そして楽しくなるかをぜひ体験してください。

また、ゲーム内でお気に入りのキャラクターを探していただいて、そのキャラクターたちと一緒に冒険を楽しんでください。もしよろしければ、他の『ブレイブリー』シリーズ作品も改めてプレイしていただけるとうれしいです。本日はありがとうございました。

――ありがとうございました。