【ドラゴンクエストビルダーズ2】建築家×ゲームプロデューサー対談 ゲームとリアルの家づくりを語る 【ゲーム建築学】

「ドラゴンクエストビルダーズ」は、ロールプレイングゲームにモノづくりの要素を追加した「ブロックメイクRPG」です。

そのシリーズ最新作である『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』では、プレイヤーが仲間のキャラクターの家をつくる場面が多数あります。

プレイヤーは様々な素材・アイテム・装飾品を駆使し、様々な要望に応えながらゲーム内の人々のために新しい家を作るのです。

 

では、自分の家は?

物語が進むほど使えるブロックは増えていき、最終的にビルド(建築・作成)できる家の可能性は無限に思えるほどに広がるのです!

 

でも、無限といわれると何をしていいかわからなくなりませんか...

上手なプレイヤーを参考にしてみたり、実際の建築物をモチーフにしてみたり、できることはいろいろありますが、そもそもうまい人ってどんなことを考えてモノを作っているのでしょう?

 

というわけで聞いてみました。

片やこのゲームを知り尽くしたプロデューサー、片や新進気鋭の建築家、お二人にモノづくりの面白さや、ゲームと現実の建築がどう異なり・どう似ているのか、語ってもらいましょう。

加えて、世界中のビルダーさんのこれまでの作品から選りすぐりの「マイホーム」も紹介します。

 

新しいアイデアを模索している方も、これからゲームを始めてみたいという方も、ここにあなたのビルドに役立つヒントがあるかも!

 

<お話をうかがった方>

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■日高海渡さん

建築家。

東京工業大学大学院建築学専攻修了。アトリエ・ワン勤務後、独立し日高海渡建築設計を設立。同時に東京工業大学大学院塚本研究室博士課程在籍。個人で活動しながら株式会社ツクルバにてパートナーデザイナーとして空間設計を複数担当。その後、戸井田哲郎氏とHaT architectsを共同設立、複数の空間設計のプロジェクトを手がける。事業拡大に伴い、20195月に株式会社swarmを創業。代表取締役に就任。

 

Instagram:https://instagram.com/kaito.hidaka?igshid=84j72bjevdvy

 

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■白石琢磨さん 

スクウェア・エニックス所属のプロデューサー。

東京大学大学院新領域創成科学研究科メディカルゲノム専攻修了。

薬剤師の国家資格を持ちながらも何故か「これからの時代はゲノム創薬よりもホイミや!」と主張しスクウェア・エニックスへ入社。採用する方も採用する方である。

『いただきストリート ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー 30th ANNIVERSARY』のプロモーションでサイコロの被り物をして「ダイスオンマスター」と名乗るものの、ユーザーからは「サイコロ野郎」と呼ばれ、Wikiにはまるで自ら「サイコロ野郎」と名乗っていたかのように書かれている。事実無根である。

DQビルダーズ2』のプロモーションの際にはサイコロの被り物を流用してブロックの被り物をしていた。

 

 

家づくりにおいて重要な要素とは

―家というものはそこに住む人がいてはじめて機能するもの。実際に発注を受けて家を設計する建築家はどのような点に気を配っているのでしょうか?

ご自身で作ったご自宅に住んでいる日高さんが、独自のこだわりも含めて語ってくださいました。

 

日高:私の場合は、その家で生活される方のライフスタイルなど、内的要因からヒントを得て空間を創造することが多いです。もちろん家を建てる際には敷地や、その土地の気候など、外的要因による様々な制約はあるのですが、住民の「内からの欲求」と環境の「外からの圧力」がぶつかってバランスが取れたときに面白いものが生まれると思います。そのためにも依頼をいただく場合は、クライアントとよく話し合って決めるようにしています。

 

―本作の中でも、NPC(プレイヤー以外のキャラクター)の住民から「自宅を作ってほしい」と依頼を受ける場面が度々あります。

 

白石:『ドラゴンクエストビルダーズ2』には様々な環境の島と、そこに生活する多様なキャラクターが登場します。そして住民の一人一人に好みが設定されていて、「部屋の広さ・豪華さ・ムード」といった要素を組み合わせて各住人の好みの部屋を作ってあげることもできます。ゲーム的には、キャラクターに対して愛着を持っていただくための重要な要素の1つなんじゃないかなと考えています。

 

―いずれの場合もそこに住む人をよく知ること、そして思いやりが大事ということですね。

それでは自分の家について考える場合は、どのような点こだわっているのでしょうか?

 

日高:私の自宅については「友達を呼びやすい家にする」ということを意識しました。また、このスペースは家ではあるのですが建築家としてのオフィスも兼ねているので、お客様と打ち合わせをする際にショールームのような役割も果たせるように、部屋ごとに使用する素材や照明を変えたりしています。どの方の場合も、まずは自分自身がどういったライフスタイルを目指しているのかをちゃんと知ることが重要になってくるのではないでしょうか。

 

ゲームならではの建築や表現

―ゲームの中ではブロックを組み合わせて建築を進めていくのですが、現実世界の物理法則とは異なるルールで成立しています。工夫によっては宙に浮くブロックや、柱がなくても支えられる天井など『ドラゴンクエストビルダーズ2』だけでできる表現の可能性もあります。

 

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白石:ゲームを作る上で「できるだけユーザーの皆様にストレスを感じることなくなく想像力を発揮してほしい」という思いがあったので、今作ではどれだけ高いところから落下してもダメージは受けるものの力尽きはしない(HP1必ず残る)という仕様になっています。現実世界の物理法則と違うという意味では、ブロックを積み上げた後に下のブロックを壊しても設置したブロックが落ちてこないのはゲームならではですね。そのような「ゲームならではの環境」の中で我々開発陣の想定を超えるような素材の使い方や工夫を凝らしたプレイヤーの作品を見ると、嬉しいのと同時に感心してしまいます。

 

日高:個人的には土地自体を変えられるというのが印象的です。実際の建築においてはどうしても与えられた敷地内にものを建てるしかないので、その制約の中で土地をどう解釈するか、という部分が重要になります。ですがこのゲームでは環境そのものをビルドできるので、作れるものの選択肢が広がるのが面白いですね。

 

白石:プレイヤーによっては「一帯の風景そのもの」を作ってしまうような猛者もいらっしゃいます。また、内装についてもゲーム内ではシステム上「建材ブロック」と「家具などのオブジェクト」を区別しているのですが、組み合わせて使用することで臨場感のあるスペースを演出している作品もありますね。ゲーム内の「撮影モード」を上手に利用していただいて、建築物だけでなく見せ方にもこだわってくださっている方が多くいらっしゃいます。

 

日高:実際の建築においても家具と建築にはそこまで区別はなくて、建物の一部が棚や机などの家具を兼ねるケースは良く見られます。私も椅子のようなアイテムをデザインすることもありますね。ゲームならではという意味で言えることとしては、素材の耐久性や重量をそこまで気にしなくても大丈夫なのは大きな要素かと思います。このおかげで『ドラゴンクエストビルダーズ2』においては、現実では見られないような表現の可能性が広がっていますね。

 

優秀作品を鑑賞!

―ここからは世界中のビルダーがビルドして、投稿してくださった中から選りすぐりのマイホームを紹介いたします。建築的にどう優れているのか、またゲーム的にどのような工夫が凝らされているのか、プロフェッショナルのお二方に伺ってみましょう。

 

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Emily(Schmem)さんの作品

 

日高:この家をつくったビルダーさんは建築の様式をよくご存じなんだと思います。ヨーロッパの北方に見られる「ハーフティンバー様式」を忠実に再現なさっていますね。

パッと見ても、構造のルールにのっとった丈夫でしっかりとした家だということが感じられます。

 

白石:そうですね、ハーフティンバーですね。ハーフティンバー様式というのは北方ヨーロッパの木造建築の技法です。半木骨造とも呼ばれます。アルプス以北の北方ヨーロッパ(英、独、仏)の木造建築に多く見られ、特に15世紀から17世紀、英国の住宅に多用されたものです。(スマホでWikipediaを確認しながら読み上げる)

 

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メガドル(auauau)さんの作品

 

白石:この家は先程とはまた違って、「アイスの家」というゲームならではの発想力に富んだ作品だと思います。ただガラスの壁を作るだけでは透明になってしまうので、中を水で満たして幻想的に撮影したテクニックも見事ですね。

 

日高:入り口は上の方なのでしょうか?どうやって入るのかは気になりますが、階段の構造や生活感も外から見ることができてすごく面白いです。将来的に強化ガラスの技術が発展して新素材が作られれば、このような構造も可能になるかもしれません。

 

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ぽんぴー(PONP)さんの作品

 

白石:これは追加DLC1弾の「和風パック」を活用していただいた例です。日本風の建築を作りたいという要望にお応えすべく、本作より実装したものです。

 

日高:「組積造」と言って石などを積み上げるように作っていくことが多い西洋の建築と違って、日本建築は柱や梁の骨組みをもとに作ることが多いです。そのため壁や構造が細身で繊細に見えることが特徴なのですが、ブロックを積んで建物を作るこのゲームでは再現が難しいのかなと思っていました。

それでもこの作品では屋根の飛びだし、欄間の表現、縁側が地面から浮いている感じなど、細部まで作りこまれていてすごく雰囲気がありますね。

 

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비비(vivi)さんの作品

 

白石:こちらもDLCを活用いただいた例です。第3弾の「近代建築パック」でゴージャスな家を建てていただきました。床や壁など、一つ一つの要素を切り出してみても、色々なブロックを巧みに使い分けているのが印象的でした。

 

日高:本当にある家のようなバランス感ですね。そしてこのビルダーさんはライティングがすごくお上手だと思います。建築において照明というのはものすごく重要な要素なのですが、空間を照らす優しいライティングにこだわりを感じました。

 

この他にも力作がたくさんあるので、ぜひ特設サイト「ビルダーズギャラリー」をのぞいてみてください!

右上の検索ボックスからアルファベットの名前で検索をすれば、今回ご紹介したビルダーの皆さんの他の作品もチェックできますよ。

https://jp.dragonquest-builders.com/

 

日高さんのご自宅を訪問!?

―オフィスも兼ねたお洒落なご自宅にお住いの日高さん。今回のインタビューに際して、『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』の中にご自宅を再現していただきました!白石Pも協力・監修の強力なバックアップ体制の元、この素敵な空間を作り上げることはできたのでしょうか?

 

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実際のご自宅の画像です。

なんかすげえ、としか言えない。

 

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奥のチルスペースの様子。

日高さんの海外在住経験も反映されているのだとか。

 

それでは期待のゲーム内でのお宅は!?

 

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ああ...うん...間取りはね...

ということで白石P、よろしくお願いします!

 

白石:とりあえず奥のスペースからやっていきましょうか。絨毯は敷きたいですね、ランプなどの小道具も「シェイカー」というアイテムで再現できるのではないでしょうか。

日高:なるほど、絨毯ブロックを床に埋め込めば敷いているように見えるのですね。

白石:はい、壁なんかにも使えるテクニックですよ。

日高:それなら、左の壁も棚にできますかね。

 

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白石:観葉植物も欲しいのですが、付近にいい木がないですね...植木鉢を仮置きしましょう。あとは床の素材も変えると再現性が上がりそうです。

日高:ソファーとテーブルの位置も調整しましょうか。

 

そんな作業を進めた結果...

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おお!かなり実物に近づいたのでは?

 

それでも時間の限界もあり、完全再現からは程遠い状態で終わってしまいました。

それなら...

 

日高家再現プロジェクト始動!

この記事をご覧のビルダーの皆さん!記事内の日高さんのご自宅画像をもとに、この素敵な家を再現してみてはいただけないでしょうか?

皆さんの工夫を凝らした「日高家」をTwitterに「#DQB2日高家」のハッシュタグとともに投稿していただければ、日高さん・白石さんのレビューの上、この記事の続編としてコメントをお戻ししたいと考えております。

二人の匠をうならせるような力作をお待ちしております!

 

白石:(言い訳させて...!もっと再現したかったんだけど、インタビュー時間内だけだと無理やって...!!)

 

▽日高さんのご自宅のその他のお部屋の参考写真はこちら!

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Instagram:https://instagram.com/yoyoginoie?igshid=9mk6o6lw9w9h

 

おわりに

いかがでしょう、ヒントは掴めましたか?

何度も言っている通りビルドの可能性は無限大!この記事を参考にして、素敵なビルダーライフをお楽しみください。

からっぽ島でお待ちしております!

関連タイトル情報

『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』新価格版

発売日:2020年12月04日(金)

プラットフォーム:Nintendo Switch™ / PlayStation®4 / Steam® /Xbox One

CERO:A 全年齢対象

権利表記:© 2018 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved. © SUGIYAMA KOBO

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