『聖剣伝説2 SECRET of MANA』あの頃の自分を取り戻す、ノスタルジックツアーへ!
2019.09.06
なにもかもがキラキラ輝いて、怖いものなんかひとつもなく、目に映るものすべてにワクワクしていたあの頃...。かつての僕はとある世界の勇者だった――。
大人と呼ばれるようになって、早数十年。子供のころは大きくなれば、やりたいこと好きなことが自由にできると思っていた。大好きなゲームだって休みの日なら一日中遊べるって思っていた。でも現実は...。
そういえば子供のころ、時間を忘れて何十時間もプレイしたゲームがあったっけ。えーっとタイトルは確か...。
懐かしくなって調べてみると、去年、リメイク版が発売されていたことを知った。そうか、僕が夢中になって遊んだ"あの世界"に、もう一度行くことができるんだ。
――その事実を知ってからというもの、なんだか胸のざわめきを感じる。もっぱら休日は寝て過ごしていた僕だけど、そろそろ体だけじゃなくて心も休ませなきゃ。ちょうど明日から週末、僕は思い切って気ままな一人旅を計画した。大好きだったあのゲームも、大人になった今ならすぐに手元に準備ができる。明日から懐かしの場所を巡る、ノスタルジックツアーに出かけよう。
聖剣に守られていると言われる、伝説の地
▲ポトス村はいい意味であまり変わっていない。あの頃のままの風景が広がる!
僕が最初に選んだ目的地は、やっぱりポトス村! 観光地でもなんでもない辺境の田舎村だけど、とにかく雄大な自然が楽しめる場所だ。ここは僕の分身でもある主人公のランディが育った村だ。
最後にここを訪れたのは、たしか1993年。じつに26年ぶりなのに、少しも変わらない景色に驚いた。懐かしい緑と土の匂い、サラサラと滝の流れ落ちる音。その滝にかかる丸太橋も、あの頃のまんま。おまけに村の店員さんの陽気なダンスまでそのまんま!まるで浦島太郎になった気分だ。
丸太橋を覆う緑の苔も、当時のまま。上部中央だけ苔が剥げているのは、きっとかつての僕たちみたいな悪ガキが、いまもこの丸太橋を渡って遊んでいる証拠だろう。あのとき、大人たちは「オバケが出るから滝に行っちゃだめ!」なんて言っていたけど、そんなのイタズラ小僧たちには完全に逆効果だよね。
▲ほら、いまも村の子供たちの姿が! まるであの頃の僕らだ
滝壺の水はガラスのように透明で、川底までよく見える。僕は窮屈な靴を脱ぎ捨て、太陽の光を反射してキラキラ輝く川に足を突っ込んだ。山の水ならではの冷たさに、思わず背中がぶるっと震える。気持ちがいい!あたりに浮かぶ蓮の葉を避けながら、わざと水を蹴り出すように大股で歩いてみた。ジャブジャブとはねる水の音が、耳に心地いい。
▲この水の透明度を見て!清流で心が洗われていくよう
200年もの間、水の神殿に守られてきた色鮮やかな景色!
このあたりの自然が格別に美しいのは、村の北西にある水の神殿のおかげだろう。神殿には巫女であるルサ・ルカ様がいて、そこから湧き出る清らかな水は絶えることなく、200年前からこの地を潤し、育んできた。
川のまわりには、都会ではお目にかかれないような鮮やかなピンクと黄色の蝶々が飛び交っている。目に見えるものぜんぶが、あの頃といっしょ!野原をゆったりと流れていく雲の影、水面を輝かせる太陽の光。もうそれだけで、涙が出るほど懐かしくて、郷愁で胸がいっぱいになってしまう。
そういえば、ルサ・ルカ様からは旅のヒントをたくさん聞いたな。それに水の種子を取った後に訪れたときにはビックリさせられたっけ。まぁここだけの話、すっかり忘れていて、今回もかなりビックリしたんだけどね。
▲ルサ・ルカ様と対面。もしかしてこの旅の様子も見守ってくれているのかも!?
そんなことを考えながら旅を続ける。気が付くと当時と同じように走り回っていた。この花もここに生えていたし、この草もここに生えていた!森でニキータにも会ったけど、相変わらず旅行者を狙ったあこぎな商売に精を出している。以前とぜんぜん変わってないなんて、奇跡みたい。
でも目の前に広がるこの景色は、あの頃よりも緑も水もずっと色鮮やかだし、花も蝶も美しい。なにひとつ変わらない景色なのに、昔よりもずっとずっと綺麗に見えるのは、僕のほうが変わってしまったからだろうか。自分で思っていた以上に、心が乾いていたのかもしれない。
▲まるで楽園!こんなにも美しい場所がこの世にあったなんて
ひたすら草刈り! チョー気持ちいい!
草原にぼーっと佇み、目を閉じ、心地よい風が髪を揺らすのに身を委ねる僕。遠くに聞こえる水の流れる音、梢が擦れる音。なんて贅沢な時間なんだろう。
そうだ、あの頃みんながはまっていたアレを久しぶりにやってみよう!僕はポトス村で手に入れた剣をにぎると、伸び放題の草の根元めがけて勢いよく振り下ろした。ザクッ!っという小気味いい音をたて、草がすっぱりと切れる。切れ切れになった葉っぱの青臭さが鼻をくすぐった。なんでもないことにも夢中になれたあの頃を強く思い出させる。
▲ザクザクザクザク...草の散っていく音が爽快!
それからの僕は、時が経つのも忘れ、あたりの草を刈りまくった。日頃のうっぷんを晴らすように、溜まったストレスを投げ捨てるように、ひたすら草を刈る。
気がつくと、あたり一面がペンペン草一本ない丸坊主に変わっていた。こんなにひとつのことに集中したなんて久しぶりだ! 丸まっていた背骨をうーんと伸ばすと、味わったことのない爽快感に背中がゾクゾクっとした。
以前もこんな風に夢中に草を刈っていて、茂みに隠れていた村への近道を発見したことがあったっけ。
便利なGPS付きマップで、もう道に迷う心配なし!
つぎはどこへ行こうかな。僕は入国時にもらったGPS機能付きのデジタルマップを開いた。ボタン一つで、現在地が一目瞭然だ。初めて訪れたあの時に、こんな便利なものがあれば、森で迷子になってウロウロすることもなかっただろうなぁ。
▲便利なデジタルマップ。これでもう道に迷わない
そういえば、プリムとはじめて出会ったのはこのあたりだった。明朗活発な彼女に、当時の僕はちょっぴり憧れていたっけ。彼女は今頃どうしているだろう。
かつての淡い恋心に思いを馳せ、空を見上げたりしてみちゃう僕。澄み渡った空に、下心を見透かされているようで、なんだか恥ずかくなってきちゃった...。
懐かしい友達との再会。僕らはすぐにあの頃に戻れた
ランディになりきっている僕は、まんまるドロップを口に放り込み、まるで初恋の思い出のような甘酸っぱさを味わいながら歩いていく。足は勝手にパンドーラ城に向いていた!?せっかくだから、王様に謁見を申し込んでみようかな。
べ、別にプリムに会いに行くわけじゃ...いや、そりゃもちろん会えたら嬉しいけどね...。
▲石造りの城のなかは、ひんやりとした冷たい空気で満ちている
謁見の間へ向かう途中、静寂に包まれた廊下に女の子の大声が響き渡る...プリムだ!さては、またお父さんと喧嘩してるな。懐かしさを抑えきれず手を伸ばしかけて、思い留まった。気楽に声をかけるには、あまりにも年月が経ちすぎている。僕はもう、すっかりオジサンになってしまった...。
だけど、プリムは違った。彼女は、あの頃とまったく変わらない笑顔で、つい今までいっしょに遊んでいた友達にするように、無邪気に駆け寄ってきてくれたんだ。
そんなプリムを目の前に、僕はさっきとは違った気恥ずかしさを憶えていた。僕らの友情を一瞬でも疑ったなんて、恥ずかしい。だって僕らは、力を合わせて、背中を預けあって、あんな大冒険をしてきた仲なのに。
でもプリム、いったいなんでそんな格好をしているの!?
デザイナーズ衣装や、宝探しイベントで賑わうパンドーラ
パンドーラ城下町は、最初に訪れる大きな町だ。お店もそろっており、とても賑わっている。子供のころに訪れたときには、本当に広く感じて、これからさらに続くであろう冒険の旅に、さらに期待が膨らんだのを思い出した。おっと感傷に浸ってばかりもいられない!今を楽しまなければ!!
プリムの話では、去年からパンドーラ城下町を中心に斬新なデザイナーズ衣装が流行しているんだって。いまプリムが着ているのは中国の民族衣装がモチーフみたいだけど、それにしてもよく似合ってる!
かつてはトラ柄のビキニや、パンクファッションも人気だったとか。プリムのトラ柄のビキニ姿...ちょっと見てみたいかも。
※ゲーム内アバター「パンクスーツ&チャイナドレス」は『聖剣伝説2 SECRET of MANA 公式設定資料+完全攻略ガイド』の封入特典、「タイガービキニ」はスクウェア・エニックス e-STOREの早期購入特典(特典期間終了)です。
▲会話をしていてもチャイナドレスが気になってあまり内容が入ってこなかったのは内緒...
▲王と王妃に謁見。ふたりとも元気そうだ
もうひとつ、国中のみんなが夢中になっているのが『イースターエッグ』っていうお宝を探すイベント。ルールは簡単で、世界のあちこちに隠されている15個の肖像画や伝説の剣などを見つけるだけだという。
パンドーラ城の謁見の間の奥にイースターエッグのひとつがあるって、プリムが案内してくれた。壁に掛けられているこの絵がそうみたい。なになに"マナの樹を護る騎士・ボガードの肖像画"だって。そういえば、ポトス村の村長の家にも、こんな肖像画が飾ってあったような...。
なにもかも昔のまま!と思っていたけど、あの頃とはちょっぴり変わったこともあるみたい。よし、僕もパンクファッションでイースターエッグを探して、新しい文化への理解を深めてみることにしよう。
▲イースターエッグの肖像画の前でパシャリ
どこまでも広く、美しいこの世界に思うこと
会いたいでしょ! とプリムが「風の太鼓」を貸してくれた。フラミーはいまも元気に大空を飛び回っているらしい。パンドーラ城のテラスに出て、太鼓を振ってみる。あの頃のようにフラミーはやってくるのだろうか?
小さな太鼓がデンデンデンという小気味いい音を立てる。
そして...。
▲会いたかったよ、フラミー!
遠くから、でもはっきりと力強い羽音が聞こえてくる。羽ばたきに巻き上げられた草土の香りが鼻孔をくすぐった気がした。見上げると、太陽からこぼれ落ちるように急降下してくる白い影...フラミーだ!
嬉しそうに鼻をすり寄せてくるフラミーに、思わず目頭が熱くなった。久しぶりの再会に、フラミーも嬉しそうだ!
▲非日常の空の旅に、興奮を抑えられない!
フラミーの背中につかまって大空へ飛び出してからのことは、正直よく覚えていない。自分でもドン引きするくらい大興奮しちゃって、遊園地の絶叫マシンに乗っているときのように、ひたすら大声で叫んでいたような気がする。
夢を見ているような時間だった。覚えているのは、目の前に広がる雄大な緑の大地と、どこまでも続くコバルトブルーに光る深い海。
そうだ、あの頃の僕に世界はこんなにも広くて、こんなにも美しいことを教えてくれたのは、フラミーだった!
風を切り、雲の間をすり抜け、遥か彼方に湾曲する地平線に向かってひらすら大空を駆けた。この楽園のような絶景を目の当たりにしたら、僕が日々溜め込んでいた不満なんて、ちっぽけで、なんでもないことに思える。
だって、この世界はこんなにも広くて、こんなにも美しい。それを思い出せただけで、この目でもう一度見られただけで、もう十分じゃないか!
夢のような旅もそろそろお終い。でもすぐここへ戻ってこよう
フラミーと別れてからも僕はまだ夢見心地だった。楽しい時間が過ぎるのはあっという間で、気が付けば外は真っ暗。ランディと同じように、ベッドにもぐりこんで明日の英気を養わなければ!結局イースターエッグも全部見つけられなかったし、大好きだった四季の森や、8つの神殿にも行けてない。
でも、懐かしいポトス村で存分に思い出に浸れたし、なによりプリムやフラミーと再会できて、あの頃の自分をすっかり取り戻せた気がする。
▲疲れた僕を優しく迎え入れてくれる、故郷のような場所
さて、明日は月曜日。そろそろ長い夢から覚めるときだ。多忙で平凡なサラリーマンの日常がはじまるけど、僕はもう大丈夫! 気持ちが疲れたら、いつでもすぐにこの場所へ戻ってくればいいんだから。
僕が僕を取り戻せる、あの頃と変わらない、この場所へ――――
(終)
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