ミステリー好きVTuber鷹嶺ルイさんが語る、『春ゆきてレトロチカ』『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』の魅力
2024.03.13
本記事には『春ゆきてレトロチカ』『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』の物語に関するネタバレが含まれます。
緻密な心理描写やストーリー展開などでプレイヤーを楽しませてくれるミステリーゲーム。近年発売されたタイトルとして記憶に新しいのが、『春ゆきてレトロチカ』と『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』です。
今回は、発売前にこの2作品を配信で先行プレイし、その後も最後までゲームを遊んだという、VTuberグループ・ホロライブ所属の鷹嶺ルイさんにインタビュー!
これまでYouTubeで、スクウェア・エニックスのさまざまなタイトルを実況している鷹嶺さんに、2作品の魅力を語ってもらいました。
【鷹嶺ルイさんプロフィール】
【秘密結社holoX】の女幹部。
総帥にできない交渉を担当しており、実質「組織の司令塔」。一見クールに見えるが仲間思いで面倒見が良いお姉さん。
しかし、大事な所でミスをするポンコツ。
YouTube登録者数は86万人越え。
「人の成長が描かれているから好き」 鷹嶺さん思い出のスクエニ作品
――まずは、鷹嶺さんが好きなスクエニ作品の話からお聞きします。事前にうかがったところ、「ドラゴンクエスト」シリーズや、『ファイナルファンタジー(以下FF)XIII』『FFXIV』が、特に思い出深いそうですね。
鷹嶺:そうなんです。「ドラクエ」シリーズはずっと前から気になっていて、ホロライブに入ってからプレイの機会ができたので、「『Ⅰ』から順番にプレイしていこう!」と思ったんです。それで、『Ⅰ』~『Ⅲ』をプレイしたら、王道RPGの魅力や「ロト」シリーズの流れにすごく感動してしまって。
その後も、『Ⅳ』ではいろいろなキャラクターにスポットを当てる物語を楽しんだり、『Ⅴ』では「ここまで心底憎むような敵がいただろうか?」と思うぐらい嫌いなボスができたり......、派生作品も含めてプレイしていく中でさまざまな経験ができました。
ゲームで喜怒哀楽をこんなに体験するのは初めてで、「「ドラクエ」は人生」と言っている人の気持ちが分かった感覚です。それくらいドハマリしましたね。
――『FFXIII』『FFXIV』は、配信ではプレイされていないタイトルです。
鷹嶺:私が初めて触れたスクエニさんのゲームは『FF零式』でした。作品の雰囲気やストーリー性だけでなく、武器やキャラクターの相性を考えながらプレイする楽しさに気づいて。
そこから、『FFXIII』に出会いました。ストーリーもムービーもまるで映画のようで、登場キャラクター・ライトニングさんの激推し勢にもなりました。人に対する接し方は不器用で、でも芯を持って凛としている姿や、仲間を守る強さを目にして、言葉は悪いですけど、「私がこの女を守りてえ!!」と思ったんです(笑)。
――ライトニングの人柄に惹かれたんですね。
鷹嶺:女性としても人間としても魅力的な、私の中では人生を変えてくれたキャラクターです。
『FFXIV』は、ホロライブでデビューを待っている準備期間に始めました。『漆黒のヴィランズ』まで出ていた頃で、「メインクエストをクリアするまで、がんばっても2カ月くらいはかかるよ」と言われたものの、すごくハマって、結局2週間ほどで駆け抜けました。
白魔道士だったのでシャキる(マッチングする)のが早かったのかもしれないですが、周りの人たちには「早すぎ」とドン引きされて......(笑)。そのときに「ゲーム自体が面白いからこそ」と、魅力に気付かされました。
スクエニさんの作品って、「人の成長」や「心の成長」が描かれているものが多いと思うんです。「自分自身と重ねることもできるからこそ、のめり込めるような作品になっているのかな」「だから愛されているんじゃないかな」と思っています。
――そんな鷹嶺さんに、今回は『春ゆきてレトロチカ』と『パラノマサイト』をプレイしての感想をうかがいます。そもそも、ミステリーはお好きだったんですか?
鷹嶺:ミステリーは大好きで、もともとシャーロック・ホームズをモチーフにした作品の大ファンでした。ドラマやアニメはほぼ観ているんじゃないかという勢いで、そのほかのミステリーも、国内だと東野圭吾さんの作品や、海外だとダン・ブラウンさんの作品(『ダ・ヴィンチ・コード』など)も好きです。
ミステリーは「人」が密接に関わっているジャンルだと思っていて、その人間模様が見られるところが魅力だと思うんですよ。
――確かに、謎解きの過程で見られる心理戦も面白いですし、時には「本当に悪だと言い切れるんだろうか......」という犯人が登場するなど、さまざまな心の機微が伝わってくる作品が多い印象です。
鷹嶺:「一体どっちが正義なんだろう」とか、「何かが違っていたら、別の未来もあったのかな」とか、考えさせられることが多いと言いますか。
私は「人を知る」ことが好きで、「この人は何を思ってそんな行動をしたんだろう?」とか、「こういうことを言ってあげた方がいいのかな」とか、そういうことを考えるタイプなので、「小説を読むならミステリー以外ありえない!」というくらい好きなジャンルです。
推理の仮説を当てはめ、事件を掘り下げる雰囲気が楽しい『春ゆきてレトロチカ』
100年にわたって不可解な死が続く四十間一族。
この一族の元を訪れたミステリ作家の河々見はるかは、時を越えて起きた4つの殺人事件に挑むことになる。
死を呼ぶ「赤い椿」と「不老の果実」。そして、その先に眠る真実とは――
公式サイト:https://www.jp.square-enix.com/retrotica/
――『春ゆきてレトロチカ』をプレイした感想はいかがでしたか?
鷹嶺:まずは、まるでドラマや映画のような実写映像でゲームが進んでいくのがとても新鮮で、俳優さんも普段から映画やドラマで見るような、演技の上手な方々でとても引き込まれました。
あと、これまでのミステリーゲームとの違いとして、「丁寧にひとつの事件と向き合える作品なのかな」とも思いました。実際に推理する際、その人は頭の中でさまざまな仮説を考えて、そこから可能性を絞って謎を解き明かしていくと思うのですが、ゲームではそういう過程は省かれることもあると思っていて。
『春ゆきてレトロチカ』は、仮説を当てはめて考えていくパートがあり、深く掘り下げていく雰囲気が印象的でした。「こういうときは、こんな風にも考えられる」「この人が犯人だったら、こういう動機もあるんじゃないか」と、自分が作品に入り込んで謎を解き明かす過程が楽しかったです。
――謎解きに向かっていく過程を丁寧に楽しめる作品、ということですね。
鷹嶺:状況を整理しながら事件の真相を楽しめるので、ミステリーゲーム初心者の方にもオススメできるゲームなのかな、と思いました。
あとは、進めていくうちに、現実と小説の中を行き来するようになりますけど、そこでも実写だからこそ「思考がロックされていたな」と思った瞬間が結構あって。このあたりは、ミステリー上級者の方々もきっと騙されるんじゃないかと思いますし、とても考えて作られた作品だと感じました。
――『春ゆきてレトロチカ』では、さまざまな役者さんが一人で何役も演じてらっしゃいますが、作品を進めていくと、配役自体がゲームの重要な要素であることも分かってきます。
鷹嶺:最後までプレイしたとき、びっくりしました。「最初から手のひらで転がされてたんだ......。このゲーム、すっげえ!」って。
この感動は、ぜひ最後までプレイして、体験していただきたいです。ゲームクリア後、最後のエンドに行き着く方法が少しだけ分かりづらいかもしれないと思ったので、「みんな、絶対に気づいてくれ......!!」と。
――ストーリーについてはいかがでしたか? このゲームでは、時代をまたいで、とある一族を中心とした物語が描かれています。
鷹嶺:「憎しみって、ここまで代々続くものなんだな」と思いました。それから、実写を使った作品だからこそ、私達プレイヤーも現実世界ではありえないことを「ありえない」と思いがちで、だからこそ(老いを重ねない)「不老」の存在感があるというか。
それがあるからこそ深いストーリーが描けるのかなと思いました。これこそ「人を見るためのゲーム」だと思いましたし、それをストーリーに入り込むような形で体験できるのが印象的でした。
――それぞれの事件で、四季が巡ってゆくように、テーマとなる季節が変わるのも特徴です。
鷹嶺:年月を経ても変わらない「不老」という存在と、移り変わってゆく季節が、とてもきれいな対比になっていて。「すごく美しい作品だな」と思いました。人が人を憎んだり、愛したりすることが顕著に表れている作品でありつつ、プレイしながら作中の世界に入り込んでいるような、そんな感覚になりました。
実在する場所を舞台にするリアルさと、メタ的な仕掛けが印象的な『パラノマサイト』
昭和後期の日本、墨田区を舞台にしたホラー・ミステリーアドベンチャーゲーム。
呪いによって翻弄される個性的なキャラクター達、
それぞれの思惑が絡み合い展開する物語は、あなた自身の手で結末へと導かれる。
公式サイト:https://www.jp.square-enix.com/paranormasight/
――『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』をプレイした感想はいかがでしょう?
鷹嶺:ホラーが苦手で、「本所七不思議」という墨田区の都市伝説・怪談をテーマにした本作は、正直に言ってすごく怖かったです(笑)。しかも、ゲーム内に登場する案内人が、いきなりものすごくメタなところに触れてくるのも印象的で。あれは本当にびっくりしました。
ゲーム内で使うためのプレイヤーネームを入力したら、案内人から「こちらでよろしいですか?」と、急にそれとは違う自分のsteamのアカウント名が表示されたんです......。そんなゲームは初めてですし、思わずゾワッとしました。
――「このゲームは自分をはめようとしてくるんじゃないか」と、警戒心が上がりますよね。
鷹嶺:他にも、案内人が「いろんなことを駆使して謎を解いてください」と伝えてきますが、まさか設定メニューの音量調整まで関わってくるとは思っていませんでした。
しかも、そうやってメタな要素をゲームに取り入れていること自体も、最後までプレイすると「だからなのか」と分かる瞬間があって。良い意味で、「これを作った人、一体どうなっているんだよ!」って思います(笑)。まったく新しいミステリーゲームだと思いました。
――作品に登場するメタな要素が、ちゃんとお話にも食い込んでくる、と。
鷹嶺:以前、墨田区に住んだこともあったので、見たことのある風景が広がっていたのも印象的でした。制作陣のみなさんは、墨田区に何度も足を運ばれたと聞きましたが、実際にある七不思議とかけてストーリーが進んでいくので、とてもリアルな怖さがありました。
そのうえで、ときにはチャプターを戻る瞬間があったり、「あのときのあれが、ここにつながるんだ......!」という驚きがあったり。そういった、ルートを探したり、伏線を見つけたりするところに面白い仕掛けが張り巡らされていて、私もつい物語に入り込んでしまいました。
ミステリー作品って、誰が怪しいのか、誰が死んでしまいそうなのか読めてしまうことがありますが、『パラノマサイト』は次の展開が全然分からなくて、終盤になっても「ここからどうなるの?!」とハラハラする場面が多かったと思います。
――終盤まで謎が増え続けて、最後に一気に伏線が回収されるようなイメージですね。
鷹嶺:本当にそうです。群像劇ならではの「人が謎を呼んで、さらに謎が謎を呼んで......」という雰囲気でプレイヤーを混乱させてくる作品で。しかも、その時点では既に頭の中で思考のロックが起こっているので、「まさかこうなるなんて?!」と驚いてしまうという。私もまんまとしてやられました。
2作品の愛すべき登場人物たち――。ミステリーゲームは「人を知る」ためのゲーム
――2作品で印象的だったシーン、もしくは登場人物もあれば教えてください。
鷹嶺:『パラノマサイト』では津詰徹生が大好きになりました。とても熱い男で、「本当のことだけが真実じゃない」というか、人には優しい嘘や隠しごともあって、全部言うことだけが正義じゃないことを教えてくれる人だな、と思います。
特に、津詰ルートでのクライマックスにあたるシーンは、大切な人に向けての顔が見られるシーンで、すごく印象に残っています。
『春ゆきてレトロチカ』は、名前は出さないですが2人いて、一人は黒幕にあたる人物です。この人は、人間のどうしようもないところが表れているというか......。「しょうがない人だな」「可哀想な人だな」と同情してしまう部分もあって、私は最後の結末を知っても、憎みきれない人物だと思う部分がありました。
そしてもう一人は、第6章までをすべてクリアした後、「終章」で明かされる、物語の鍵を握っていた人物ですね。「すべてはこの人の手の上で転がされていたんだ」と思いましたし、この人が、ずっと長い時間をかけてあの物語を進めていたんだと思うと、「あの時から......!」と思えるシーンもあって。これは、ぜひ実際に体験していただきたいです。
――最後に、2作品について「こんな方にオススメ」「こんな楽しみ方もできるかも」ということもあれば教えてください。
鷹嶺:『レトロチカ』はミステリーゲーム初心者の方でも遊びやすいと思いますし、丁寧に話を追っていきたい方や、ミステリードラマが好きな人にも刺さるんじゃないかと思いました。
もちろん、上級者の方も驚くような仕掛けも用意されているので、それを推理しながら見るのもきっと面白いと思います。映画やドラマを見ている感覚になる美しい作品なので、お休みの日に、コーヒーを飲んだりしながら、読書したり映画を見るような感覚でプレイすると楽しいはずです。寝る前にプレイするとやめられなくなるので、オススメはしません(笑)。
『パラノマサイト』は、ミステリーやホラーが苦手な方は友達と一緒に推理しながらプレイするのも面白いと思いました。私も配信でリスナーさんと一緒にゲームを進めていくのが楽しかったです。結構頭を使って考えさせられるゲームなので、いろんな意見や視点があった方が、ゲーム自体も進めやすいと思います。
ミステリーゲームは、それぞれの登場人物が、何を思ってその行動をしたか、その結果どういう憎しみや思いが生まれたか――。そういう人々の心模様を楽しめるジャンルだと思っています。『レトロチカ』や『パラノマサイト』は、そんな魅力がストレートに感じられるので、ミステリー好きとしても、「面白い!」と太鼓判を押せるようなゲームでした。
ーーー
『春ゆきてレトロチカ』と『パラノマサイト』には、それぞれミステリーゲームならではの工夫を凝らした仕掛けや、驚きの展開が待っています。気になった方はぜひ、2つの物語の行く末を体験してみてください!
『春ゆきてレトロチカ』はニンテンドーeショップ、PlayStation®Store、Steam、App Store、Google Playにて好評配信中!
『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』はニンテンドーeショップ、Steam、App Store、Google Playにて好評配信中!
執筆:杉山仁 編集:ノオト
関連タイトル情報
今注目の記事
-
2025.01.06
アルカディア・ベイへの招待状?! ブラックウェル高校 学校案内【Life is Strange Remastered Collection】
-
2024.11.27
PlayStation®5・PlayStation®4・Nintendo Switch™で遊べる「ドラゴンクエスト」シリーズを一挙ご紹介!
-
2024.11.15
今、ミッドガルで高圧洗浄が求められているーー清掃のアルバイトでミッドガルに潜入!
-
2024.10.16
初代『ドラゴンクエスト』に登場するお馴染みの町を復興&激写! スクエニ絶景写真部『ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ』編
-
2024.10.09
2024年秋の新作タイトルをご紹介!
検索
タグ
- FANTASIAN
- FOAMSTARS
- FORSPOKEN
- HD-2D
- JUST CAUSE
- OUTRIDERS
- いただきストリート
- お宅訪問
- すばせか
- みんスぺ
- アニマルウォッチング
- インタビュー
- オクトパストラベラー
- キャラ紹介
- キングダム ハーツ
- ゲーム案内所
- コラボ
- サガ
- シリーズ紹介
- スターオーシャン
- ダンジョンエンカウンターズ
- チョコボの不思議なダンジョン
- ドラゴンクエスト
- ドラゴンクエストヒーローズ
- ドラゴンクエストビルダーズ
- ニーア
- ハーヴェステラ
- バランワンダーワールド
- パラノマサイト
- パワーウォッシュシミュレーター
- ファイナルファンタジー
- ライフ イズ ストレンジ
- ライブアライブ
- ヴォイスオブカード
- 企画
- 地獄の軍団
- 新作紹介
- 旅行
- 春ゆきてレトロチカ
- 短編
- 結合男子
- 聖剣伝説
- 電車でGO!
- 鬼ノ哭ク邦