WORK LIFE
STORY

スクウェア・エニックスで「働く」ストーリー

現場社員が語る!ゲーム×AIの技術で世界中に感動を。

こんにちは、スクウェア・エニックス 人事部 採用担当 平山です。

さて、今回は学生時代にスクウェア・エニックスのゲームAI開発社員との交流をきっかけに、インターンを経て、新卒で入社した社員にお話しをうかがいました。

入社後自身を成長させるためには、何を学ぶかも重要ですが、誰から学ぶかも重要です。

当社ではゲーム×AIのエキスパートが揃っており、最先端のゲームAI開発、技術研究の両方で仕事がしたいのであれば、最高の環境が整っています。

どんな技術者がいるのか、どんな働き方ができるのか、ご興味がある方は是非お読みください。

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AI部 AIエンジニア 森 寅嘉

森さんの入社のきっかけを教えてください。

学生時代に一か月ほどテクノロジー推進部にてインターンという形で働かせていただき、働きやすさや技術の高さに魅力を感じスクウェア・エニックスを選びました。

インターンではアニメーションでの身体の変化を考慮したAIシステムの考案と開発を行いました。まず一週間ほど関連研究や基礎知識の調査を行い、その後システムの考案を行って、必要な知識を調べながら開発しました。できた成果としてはアニメーションによる身体の当たり判定の変化を目前の障害物と照らしあわせ、よりよいタイミングでアニメーションを行い、ジャンプやスライディングで回避するシステムができました。インターンの最後にテクノロジー推進部の方や他部署の方に向けた成果発表も行っています。学生の時にはわからなかったことや利用できる技術の例などたくさんの助言をもらいました。

また、スクウェア・エニックスへの入社を検討する上で、今の上長である三宅さん*と学生時代から研究を通して交流していたことも大きかったです。学生時代の研究では機械学習によるアニメーション生成の研究や、インターンでの成果をより発展したものの研究開発を行っていました。三宅さんから研究内容に関して助言をもらったり、大学での研究とゲーム業界での研究とのギャップで悩んでいた時には、相談にのってもらったりしていました。

*三宅陽一郎 スクウェア・エニックス ゲームAI開発者。京都大学で数学を専攻、大阪大学(物理学修士)、東京大学工学系研究科博士課程(単位取得満期退学)。デジタルゲームにおける人工知能の開発・研究に従事。IGDA日本ゲームAI専門部会設立(世話人)、日本デジタルゲーム学会理事、芸術科学会理事、人工知能学会編集委員。共著『デジタルゲームの教科書』『デジタルゲームの技術』 翻訳監修『ゲームプログラマのためのC++』『C++のためのAPIデザイン』(SBCr)『はじめてのゲームAI』(WEB+DB PRESS Vol.68、技術評論社)。近著に『人工知能のための哲学塾』(ビー・エヌ・エヌ新社)、『絵でわかる人工知能 明日使いたくなるキーワード68』 (SBクリエイティブ)がある。

参考:【スクレポ】現場社員が語る!ゲームAI技術が発展するために必要なこととは

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現在の業務内容を教えてください。

現在の業務は主に新しいAIアーキテクチャとそのGUIの開発、AIとアニメーションを題材とした研究活動、今年入ってきた新入社員のOJTです。

1つ目のAIアーキテクチャとGUIの開発では、先輩と共に新しいアーキテクチャをプロダクトで使ってもらえるためにGUIの実装をメインに行っています。

2つ目の研究活動では、これまでの研究の調査から始まりその中で現状の課題やニーズ、これから先必要になってくるかどうか等を考慮しながら研究開発の計画を立てています。

3つ目のOJTでは、主にタスク管理やコーディングのチェック等を行いながら新入社員が来年度自立して業務ができるようトレーニングをしています。彼はメタAIの研究開発を行っています。2Dシューティングゲームを題材にしてメタAIの有用性を実証するための部内プロジェクトを立ち上げており、そのメインプログラマーとしてディレクターやメタAIデザイナーから仕様説明を受けながらゲームとAIシステムの実装作業を行っています。そのため自分の関わり方としては、やり方のアドバイスを行ったり相談に乗ったり進捗の確認といったコミュニケーションがメインです。

仕事での印象に残っているエピソードがあれば教えてください

入社して3年目にGDC 2021*に登壇するチャンスを得たことが、非常に嬉しく印象に残っています。

*GDC...Game Developers Conference(ゲーム開発者向けイベント) GDC 2021は新型コロナウイルスの影響によりオンラインで開催

GDC2021ではAnimation Summitにて「Full Procedural Animation」を、AI Summitにて「ART-HTN」を発表しました。その中で自分がメインで研究開発したのは「Full Procedural Anmation」になります。これはアニメーションアセットを用いずに関節構造からアニメーションを生成する技術です。

この技術が必要になった背景として既存のアニメーションシステムでは関節構造が違うモデルに対して同じアニメーションアセットを適用するのは難しく、モデル一つ一つにアニメーションアセットを用意しようとするのは非効率的です。そのためデザイナー側でアニメーションアセットが適用できる範囲でモデルを作成してもらうという方法でゲーム開発を行ってきました。そこで「Full Procedural Animation」では元からアニメーションアセットを用いずに関節構造を読み取りIKやポーズブレンディング等の技術を組み合わせることであらゆるモデルでも一つのアニメーションシステムで動かすことを目指しました。

GDCは学生時代から憧れのようなものがあったので、その分登壇のプレッシャーも大きく、実装作業もギリギリまで行いましたし、何度も発表練習するなどかなり気合を入れて望みました。アンケート結果としてはそこまででしたが、ファミ通様等に記事にしていただき多くのユーザーから反応を得られたことが非常に嬉しかったです。

参考:スクエニが『フロントミッション』風な、モーションに関する技術デモを公開。あらゆるロボットパーツに対応できる、モーション自動生成システムを開発中【GDC 2021】

参考:スクエニが新たなAIシステム"ART-HTN"を開発。『フロントミッション』風のデモ映像も公開。より高度な頭脳を持つAIがゲームに取り入れられる日も来る?【GDC 2021】

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当社で働く魅力は何ですか。

スクウェア・エニックスの特にAI部で働く魅力は、ゲーム開発者としても、技術研究者としてもキャリアが得られる点だと思います。

ゲーム開発部署でもゲーム開発者としてのキャリアを積むことができると思いますが、研究に充てる時間がないという問題があります。かといって技術研究者になろうとしても、技術一辺倒で、ゲーム開発はできないという問題がよくあります。

AI部では開発と研究の両方をやりながら、自分の分野でのスペシャリストを目指せる環境が整っています。

仕事の難しさを感じるのはどんな時ですか。

新卒で入社したので、学生時代の研究活動とゲーム業界での研究活動のギャップに苦しみました。

学生の研究活動だと、技術的によりすぐれたものを開発するためにコーディングが適当になったりしても問題ありませんが、ゲーム業界での研究活動ではその技術をほかの人が使えるところまで行わなければなりません。そのためコーディングについてやクラス設計等については今でも先輩から指導をもらっているところが多々あります。

AI部の働く環境や活躍している人たちについて教えてください

AI部で働いている人の多くが、在宅勤務で仕事をしており、ゲーム開発部門のプロジェクトに参加し現場に近いところでツールの整備や研究を行っている方もいれば、部内プロジェクトで純粋に技術研究を行っている方もいます。

ゲーム開発・技術研究の両方にいえることが発表できる機会(学会等)があれば、AI部から積極的に発表しています。普段の業務で得られた知見を広めることで、スクウェア・エニックスのブランディング向上や自身のキャリア形成にもつなげることができます。

そのため自身の専門にとことん強い人、特にGDCやCEDEC*のように大きな場で自身の技術を発表できる人はより活躍していると感じます。

*CEDEC...Computer Entertainment Developers Conference(国内最大のゲーム開発者向けの技術交流イベント)

今後の目標や夢を教えてください

自分はAIの中でもアニメーションの分野のスペシャリストになりたいと考えています。現状ではAIがアニメーションを呼ぶ際にあまり自身の身体のことを考えないパターンが多いです。そこで僕はアニメーションを使って自身の体を意図通りに動かすことができるようなAIや、AIの意図に沿ってアニメーションを追加、変形できるようなアニメーション技術の開発を目指しています。

ただまだ修行段階なので、技術研究を行いながら、ゲーム開発のサポート等で現場を知り、ゲーム開発者と技術研究者の両方のキャリアを育てたいと考えています。

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これから当社の選考を受ける方へメッセージをお願いします!

昨今AI技術は様々な革新を得ている中、それを実際にゲームに適用している事例はあまり多くありません。なぜならそれを行うためには現場を知り技術に強いAI研究者という良いとこどりの人材が少ないことに起因していると考えています。逆を言えばAI部ではそのような人材を求めており、そうなるための環境も作っています。例えば「機械学習の研究知識があるがゲームの開発経験がない」という方や「ゲームの開発経験やゲームAIの実装経験はあるが機械学習については基礎部分しか分からず業務にしたことがない」という方でも活躍の機会は多くあると思います。

世界中の人々にAIの技術とエンターテイメントによって感動を届けるため、ぜひ皆様からのご応募をお待ちしております。